研究課題/領域番号 |
19K11242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 埼玉県立大学 (2020-2022) 東北大学 (2019) |
研究代表者 |
津野 陽子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50584009)
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研究分担者 |
渋谷 克彦 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80752162)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 健康経営 / データヘルス / 産業保健 / 生産性 / 健康リスク / 労働生産性 / 健康・医療情報 |
研究開始時の研究の概要 |
健康経営とは、従業員の医療・健康問題を経営課題と捉え、健康と生産性の両方を同時に行うマネジメントの手法である。組織の健康課題を可視化し健康リスクを評価する手法および健康リスクと生産性の関連は国内外において研究が蓄積されてきている。しかし、健康経営に取り組んだ効果をどのように測定するのか、何をもって効果があると言えるか、健康経営の取り組みが本格的に開始されてから約5年経過し、学術的にも実践的にも検討課題である。本研究では、組織における健康経営の効果はどのように測定するか、健康経営を促進する「culture」の指標は何かを研究の問いとする。
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研究実績の概要 |
健康経営度調査(経済産業省;健康経営優良法人大規模法人部門の認定のための企業等が回答する調査)のデータ分析により、組織における健康文化の指標とアウトカム指標の探索を行った。組織における健康文化指標とアウトカム指標を見出すことはできたが、健康経営の健康文化指標で相関があった項目は多数あり、取り組んでいる企業は多くの項目に取り組んでおり、この項目に取り組んでいればよいという項目があるわけではなかった。一方で、健康文化指標の各取り組みにおいて相関の強い項目を見ると一歩踏み込んだ取り組み内容であることが示唆された。健康経営の効果検証のアウトカム指標の探索において、3年間の変化量も指標としたが認定なし群のほうが改善率が良い傾向があり、アウトカム指標の精査を継続中である。さらに、3年間のコホートデータにより、健康経営の取り組みの変化パターン別にアウトカム指標との関連性を分析することで、健康経営の効果測定に有用な指標を検討していく。組織としての健康経営の取り組みの評価指標を示せることは意義がある。 1組織との共同研究が開始となった。今年度で取得可能な健康・医療情報を基に研究データの収集と作成、分析を行った。研究データの整備ができ、健康リスク項目の設定を行い、組織の健康課題の分析ができた。さらに健康文化指標や生産性指標を含めた従業員へのアンケート調査の準備も進み、次年度はコホートデータによる健康経営の効果測定の検証ができる段階となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組織の健康文化指標とアウトカム指標を健康経営度調査データにて検討できたことは計画通り実施出来たといえる。コロナ禍で研究フィールドとの調整が昨年まで遅れていたが、今年度から共同研究が開始できた。コホートデータによる効果検証のため、次年度さらに1年研究期間延長して実施しなければならない状況がある。研究者間で月1回以上定期的に勉強会を開催しながら進めており、研究成果の確認と進捗管理を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
健康経営の取り組みを評価する組織のアウトカム指標の精査を継続しする。さらに、3年間のコホートデータにより、健康経営の取り組みの変化パターン別にアウトカム指標との関連性を分析することで、健康経営の効果測定に有用な指標を検討する。 共同研究は、研究者だけでなく共同研究組織とも勉強会や会議により研究成果の共有や検討を実施しており、今年度の研究計画を着実に遂行できる体制である。それにより、最終年度として健康経営の効果測定のための分析手法の検証を行っていく。
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