研究課題/領域番号 |
19K11269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
大津 美香 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (10382384)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 認知症 / 心不全 / 多職種連携 / マニュアル / 生活管理 / 疾病管理 / 介護 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、看護職と介護職の連携・協働により認知症高齢者の慢性心不全の悪化による再入院を予防するために有用な疾病・生活管理マニュアルを作成する。在院日数の短縮化により、身体疾患管理が必要な認知症高齢者は退院後、介護施設への入所が増加している現況から、医療(看護)と介護の専門職が協働的に医療問題のある認知症高齢者の身体疾患の悪化を予防することが重要である。本研究では介護施設におけるケアの標準化と質の向上により、慢性心不全の悪化から認知症高齢者の再入院を予防することを目指す。また、本研究により、認知症高齢者の地域での生活を支え、厚生労働省が推進する地域包括ケアシステムの構築にも寄与できると考える。
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研究実績の概要 |
1.認知症高齢者の心不全の日常生活管理において、看護職員と介護職員との間に生じるコンフリクトと対処方略 介護保険施設の看護職員及び介護職員から得られた調査結果をまとめた。認知症高齢者の心不全の日常生活管理において、看護職員は介護職員に心不全の悪化の早期発見よりも情報共有や緊密な連携により心不全の悪化予防を重視することを期待していた。一方、介護職員は心不全の悪化の早期発見に責任を感じながら、その責任を果たせていないことに葛藤していた。対処方略の1つである「活動的」対処の得点が看護職員では介護職員よりも有意に高く、介護職員間では経験年数の長い群が短い群よりも有意に高いという結果であった。よって、看護職員や経験年数の長い介護職員が先導して職種間に生じたコンフリクトの内容を共有し対処することで認知症や心不全をもつ高齢者のケアの質向上につながると考えられた。 2.認知症高齢者の心不全の悪化予防に向けて看護職員と介護職員が日常生活管理を行うためのマニュアルの作成 介護保険施設の看護職員と介護職員が認知症高齢者の心不全の悪化予防に向けて日常生活管理を行うためのマニュアルを作成し、その有効性を検証した。第1段階では文献を用いてマニュアル原案を作成した。第2段階では、医療・介護の専門家による内容的妥当性の評価を得てマニュアル暫定版を完成させた。第3段階において、マニュアル暫定版は介護保険施設の職員により31名の認知症高齢者に実施された。本マニュアルを用いることにより、職員の知識の状態と実践状況が介入開始3ヵ月時に有意に改善し、また、認知症高齢者の心不全の悪化の早期発見・受診の対応に有効であった。多忙な介護現場において、非医療職である一部の介護職員では、マニュアルの通覧のみで即実践に結びつけるのは難しい状況であった。そのため、今後は短期間で学習効率が高い教材開発を検討していく必要性があると考えた。
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