研究課題/領域番号 |
19K11294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
伊藤 佐知子 (上村佐知子) 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (40271829)
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研究分担者 |
神林 崇 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (50323150)
長谷川 裕晃 宇都宮大学, 工学部, 教授 (90344770)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 人工炭酸泉 / 睡眠促進効果 / 認知機能 / 体温 / 睡眠 / 高齢者 / 認知症予防 / 末梢血流量 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症、特にアルツハイマー型認知症(AD)では、睡眠障害がAD発祥の一因になっている可能性がある。規則正しい生活や十分な睡眠時間、睡眠構築(脳波上における徐波睡眠の増加)によってAD発症は軽減される可能性がある。 古来より入浴とりわけ、温泉浴は入眠促進・熟眠効果をもたらすことが知られているが、その理由は、温泉浴による深部体温上昇後に下降する際、入眠効果がみられ、さらなる体温の下降が、熟眠を引き起こすためだと説明されている。 今回我々は、健常高齢者を対象に人工炭酸泉が睡眠促進に効果的であることを、深部体温や脳波、末梢血流量を用いて検証し、その睡眠構築に人工炭酸泉浴が効果的であることを検証する。
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研究実績の概要 |
人工炭酸泉が高齢者の睡眠へ及ぼす効果 【はじめに】入浴は、体温の一過性上昇から、皮膚末梢における熱放散をもたらし、入眠潜時の短縮、睡眠後半部分における睡眠効率の改善、中途覚醒時間の減少が報告される。人工炭酸泉は、より一層の皮膚血管の血流量増加が引き起こされる。【目的】これまで、健常若年者を対象に人工炭酸泉浴の睡眠促進効果を確認した。今回、高齢者に対する人工炭酸泉浴の入眠・熟眠効果を検討する。【方法】健常女性高齢者9名(年齢71.3歳)を対象に、人工炭酸泉浴(ダンレイ製業務用泡小町;平均炭酸濃度858ppm)とさら湯浴の2条件を、別日の同一時刻に行った。就寝2時間前に胸骨剣状突起 部までの半身浴(平均湯温38℃、10分間)を行い、入浴直後から起床までの体温と就寝中の脳波を測定した。また、入浴と睡眠前後に、フリッカーテスト、眠気などの主観的評価を行った。【結果】体温は、近位温、遠位温、DPG(Distal-proximal temperature gradient)のいずれも人工炭酸泉とさら湯間で有意な差は認められなかった。脳波では浅睡眠が人工炭酸泉で少ない傾向(150min vs 201min、p=0.08)であったが、深睡眠や主観的評価のいずれの項目も有意水準に満たなかった。【考察】先行研究では湯温40℃で15分間の入浴条件であった。今回、高齢者への負担を考慮して湯温を低くし入浴時間を短く設定したため、人工炭酸泉の効果が十分に発揮されなかった可能性がある。【結論】健常高齢者に対する人工炭酸泉浴の睡眠促進効果は認められなかった。
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