研究課題/領域番号 |
19K11338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
保原 浩明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40510673)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 義足 / 歩行 / バイオメカニクス / 非対称性 / リハビリテーション / 大腿切断 / 地面反力 / 大腿切断者 / 片側大腿切断者 / 非対称歩行 |
研究開始時の研究の概要 |
片側大腿切断者における左右非対称な歩行は,一側肢への過負荷蓄積を通じて筋骨格系障害の潜在的リスクとなる.なかでも,接地初期における鉛直地面反力の時間変化率(Loading Rate)は,片側大腿切断者特有の非切断側・残存部位における変性疾患の誘因となることが示唆されており,義肢全体の歩行機能評価指標としての応用可能性も有する.しかしながら,片側大腿切断者における Loading Rate についての報告は少なく,その関連因子についても未解明なままである.そこで本研究の目的は,様々な歩行速度における Loading Rate を片側大腿切断者から大規模に計測し,その関連因子の解明に挑戦する.
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研究成果の概要 |
本研究の結果,片側大腿切断者(25名)における歩行時の地面反力,外的仕事量,圧力中心軌跡,接地時負荷率といった指標のいずれもが,左右脚で非対称な振る舞いをしていることが明らかとなった.これらは,片側大腿切断者で頻見される腰背部の慢性疼痛・張りや変性関節疾患が生じる原因の一つに,非切断側における着地初期の力学的負荷が関連していることを示唆している.一方,こうした一側肢への過負荷蓄積は,立脚期後半の蹴りだしを高めることで緩和させることができること,そしてそのためにはロボット義足による出力向上が有効であることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて,片側大腿切断者25名からなる大規模な歩行データを取得することができた.同データは2.0 km/hから5.5 km/の8段階速度で計測を行っており,個人属性も詳細に記録しているが,こうしたデータセットは非常に珍しく,今後,日本国内における下肢切断者の歩行リハビリテーションの標準値になると考えられる.また,一側肢への過負荷蓄積が二次障害を誘発する可能性を明らかにしたという点から,各個人にあった義足パーツの選定,衝撃緩衝材を利用した義足部品の開発,非切断側への医療ケアといった,臨床的にも重要な知見を創出できたと考えている.
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