研究課題/領域番号 |
19K11362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
落石 知世 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30356729)
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研究分担者 |
清末 和之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (50356903)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβタンパク質 / トランスジェニックマウス / オリゴマー / シナプス / 運動 / 認知機能 / 習慣的運動 / GFP / 行動解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは加齢とともに記憶力や学習効率が低下するが、運動によって高齢者の認知機能が改善されることはよく知られている。アルツハイマー病(AD)患者でもこれは例外ではないことから、薬による治療法が未だ確立しない中、習慣的な運動は新たな治療的介入の一環として注目を集めている。ADにおいて神経伝達機能の低下はアミロイドβタンパク質(Aβ)のオリゴマーによって引き起こされることが示唆されている。本研究は細胞内のAβオリゴマーの機能解析に最適な新規ADモデルマウスを用いて、Aβオリゴマーが引き起こす認知機能障害が運動によってどう変化するのか、またその変化を引き起こす生体内の因子を探索しその作用機構を解明する。
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研究成果の概要 |
運動が高齢者の認知機能を改善することから、アルツハイマー病(AD)患者における習慣的な運動は新たな治療的介入の一環として注目を集めている。ADの発症原因として、アミロイドβタンパク質(Aβ)オリゴマーが認知機能の低下に関与することが示唆されている。そこで、神経細胞内にAβオリゴマーのみを発現するAβ-GFPマウスを開発しその表現型を解析し、Aβオリゴマーが引き起こす認知機能障害が習慣的な運動によって変化するのかを解析した。その結果、Aβ-GFPマウスの認知機能は運動によって顕著に改善した。またDNAマイクロアレイの結果、シナプス関連タンパク質の遺伝子などに運動負荷による変動が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Aβオリゴマーを神経細胞内にのみ発現するAβ-GFPマウスは重篤なアルツハイマー病(AD)の病理学的所見を示さないが、生後2-3ヶ月齢で認知機能が低下することから軽度認知障害(MCI)のモデルとして使用できる。このモデルマウスを用いた習慣的な運動による、認知機能改善効果の解析系はMCIや発症初期のAD患者において運動の効果のメカニズムについて新たな知見をもたらすことが可能である。また、AD治療の非薬物的介入のみでなく、運動による効果を高める物質等、薬物的治療法の開発にも繋がることが期待される。高齢化社会において、医療費や介護の問題などの社会問題解決に向けて、発症予防という観点からも意義がある
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