研究課題/領域番号 |
19K11367
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
横田 茂文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (50294369)
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研究分担者 |
武田 湖太郎 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (50618733)
濱 徳行 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (60422010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 低酸素 / 孤束核 / 結合腕傍核 / 覚醒中枢 / 呼吸中枢 / 前脳基底部 / 睡眠時無呼吸症 / CGRP / 視床下部脳弓周囲領域 / 延髄腹外側部 / 覚醒 / 脊髄後角 / 後台形体核 |
研究開始時の研究の概要 |
日中の「眠気」は、リハビリテーションへの意欲を低下させ、また、集中力の欠如から訓練効果を低下させる。この「眠気」の原因は、睡眠時無呼吸による断眠や痛みによる不眠などの睡眠障害であるが、これら疾患の神経学的なメカニズムはいまだ不明な点が多い。そこで本研究では、眠気の原因となる睡眠障害を引き起こす神経機構を形態学的・機能学的に解明する。そして、その神経機構によって生じた睡眠障害が運動機能へ与える影響を明確にすることで、神経路特異的な睡眠障害のモデルマウスとなることを実証し、リハビリテーション医学におけるモデル動物研究の基盤を築く。
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研究成果の概要 |
血中化学情報(低酸素)を覚醒中枢(視床下部脳弓周囲領域)や延髄呼吸中枢(延髄腹外側部)へ伝達される神経路を明らかにすることを目的とし、形態学的に接続様式を解析した。低酸素情報が入力する孤束核では、グルタミン酸作動性ニューロンの多くが間欠低酸素暴露に反応した。また遺伝子改変動物を用いた神経路の解析により、孤束核グルタミン酸作動性ニューロンは結合腕傍核を介して視床下部脳弓周囲領域あるいは延髄腹外側部へ連絡することが明らかとなった。さらに、それらの神経路を構成するニューロンは低酸素暴露で活性化することが分かった。これらの神経路は睡眠時無呼吸症で引き起こされる覚醒と呼吸喚起に関わるものと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では血中低酸素情報を覚醒中枢および呼吸中枢へ至る神経路を明らかにした。睡眠時無呼吸のような睡眠障害が引き起こす日中の眠気や認知機能の低下は転倒リスクを増大させるのみならず、リハビリテーション訓練への意欲を低下させ、また、集中力を欠如させるため訓練効果が低下するなど重大な負の影響が報告されている。したがって、血中酸素分圧の低下が覚醒および呼吸の増大を惹起する神経路を明らかにすることは、睡眠時無呼吸症の発症メカニズムを解明し、臨床的な治療へつながる基礎的な知見を与えるものである。
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