研究課題/領域番号 |
19K11376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
城 由起子 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 教授 (30440663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 痛覚感受性 / 性差 / 痛覚 / 慢性疼痛 / 痛み / 心理因子 / 栄養 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は腸内細菌がヒトの痛みに影響するのかを、摂取栄養素を含めて検討する。対象は健常者と慢性疼痛患者とし、それぞれの腸内細菌叢と痛みの感受性、摂取栄養素の関係を調べるとともに、健常者と慢性疼痛患者の腸内細菌叢、摂取栄養素の違いを比較する。 また、慢性疼痛の治療として推奨されている運動介入を行い、腸内細菌叢や痛みの感受性の変化を調べる。さらに、運動による鎮痛効果に対する腸内細菌叢や摂取栄養素の影響についても調べ、慢性疼痛治療として運動に加え適切な腸内環境と栄養管理の必要性について検討する。
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研究成果の概要 |
腸内細菌層(GM)の組成と痛みの感受性の関係を健常者を対象に調べた。男性ではバクテロイデス門が少なくファミキューテス門を多く保菌している方が痛みの感受性が低かった。一方、女性ではGMの多様性が高いほど痛みの感受性が低く、GM保菌率と痛みの関係性は明らかではなかった。また、健常者においては痛み知覚、摂取栄養素、GM組成の3者の関係性は明らかにならなかった。運動による鎮痛(EIH)とGM組成の関係では、運動により酪酸産生菌、ビフィズス菌の保菌率が減少した人は、EIHが生じやすい可能性が示唆された。また、運動介入前のアクティノバクテリア門の保菌率が低い人はEIH効果が得られやすい可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、痛みの感受性にも腸内細菌叢の組成が関与していることが明らかとなった。またその関係は性別で異なっていた。さらに、運動による鎮痛効果にも腸内細菌の組成が影響している可能性が示唆された。このことから、痛みの治療や予防において腸内環境の改善や正常化が有効である可能性が考えられる。また、これらの関係において性差を配慮する必要性が示された点はとても興味深い。
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