研究課題/領域番号 |
19K11378
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
小田桐 匡 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (30388904)
|
研究分担者 |
葛谷 聡 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30422950)
上田 敬太 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (60573079)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 軽度認知障害 / 早期アルツハイマー病 / 生活機能 / 手段的日常生活動作 / 行動分析 / 視線分析 / 遂行機能 / 情報の選択 / 情報の抑制 / 認知的負荷量 / アルツハイマー病 / 認知機能低下 / アイトラッキング / 視線計測 / 失行 / 障害メカニズム / エラー / 認知メカニズム / 細目行為 / 視空間性作業記憶 / IADL / 眼球運動 |
研究開始時の研究の概要 |
一見自立しているようにみえる日常生活であっても,わずかな認知機能障害を背景に本人にも気付かない生活機能の変化が進行しうる.生活機能の障害は認知症進行への重要なリスクであると同時に,自立生活やQOLにも影響する.そのため生活機能の障害をいち早く特定すること,本障害のメカニズムを解明し科学的根拠に基づく予防や早期介入の方法を確立することが求められている. 本研究では,軽度認知障害者,早期アルツハイマー病患者を対象に,①生活機能に関係しうる心理機能検査,②脳MRIの撮像,③生活動作中の眼球運動計測を通して,生活機能変化をもたらすメカニズムについて,心理的,生物学的,行動学的視点から解明を行う.
|
研究成果の概要 |
軽度認知障害者(Mild Cognitive Impairment: MCI)の微細な生活機能変化を明らかにするため、手段的日常生活動作課題遂行中の行動と視線の変化について分析した。遂行機能を構成する運動計画、作業記憶に関して、超短時間注視、先行注視を用いて分析を行った。MCIは手段的日常生活動作課題でも有意にエラー総数は増加し、無関連物品に対する動作を抑止する頻度は早期アルツハイマー群より増加していた。視線指標の分析は継続中だが、特に記憶と負の相関を示した超短時間注視では、MCIは健常群より増加し、先行注視は差を認めなかった。認知機能低下を代償する遂行機能の過活動が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軽度認知障害の段階から始まるわずかな生活機能変化を客観的に捉え、その認知特性を明らかにすることで、より早期の段階からの生活機能を維持し進行を防止するための科学的な介入プログラムの開発に貢献することが期待される。介護者にとっても生活機能変化をどのように捉え支援していくかのヒントを提供できることが期待できる。引き続く解析が必要であるものの、今回の研究結果は、認知障害進行に伴い、視覚探索が不安定化し、それが当座のみならず後々の行動選択にも影響していることが考えられた。また、軽度認知障害の段階では遂行機能の代償作用を発揮し健常者以上に認知的負荷を増大させながら日常行為を遂行していることが予想された。
|