研究課題/領域番号 |
19K11381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
前岡 浩 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (00454801)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 慢性腰痛 / 情動 / 治療手段 / 痛み / 慢性疼痛 / 疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性疼痛者を対象にタブレット型端末に慢性疼痛者が有する痛みと同じ部位で痛みや不快感を惹起させる情動喚起画像を提示する。そして画像編集ソフトを使用し、画面上で画像内の痛みの部位を指で擦り消す作業を実行することで、画像内の痛み部位が視覚的に消去され、鎮痛効果が得られると考える。この新しい治療手段の開発には、慢性疼痛における鎮痛メカニズムを明らかにする必要があり、関与する脳領域を時間分解能に優れたデジタル脳波計にて同定するとともに、心電図の測定から自律神経機能の評価も実施する。これにより鎮痛メカニズムを明らかにし、科学的根拠を示した上で新たな治療手段としての提供が可能になると考える。
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研究実績の概要 |
本研究は,慢性疼痛者(慢性腰痛)を対象に,痛みに伴い引き起こされる不安感や不快感といった情動的側面から痛みの軽減を図る新たな治療手段の開発を目的とすることである.さらに,臨床現場でも簡便に導入することが可能なように,使用する機器はタブレット型端末のみでの開発を目的とする.本アプローチの特徴は,対象者が自ら一人で能動的に実施可能な点である.これにより入院中あるいは自宅など,さまざまな場面で簡便に使用できると考える. 令和4年度の予定は,実際に有痛者である慢性腰痛者においても健常者で得られた効果と同様に疼痛軽減が認められるかを検証することであった.具体的には,医療施設における慢性腰痛者を対象にタブレット型端末に対象者が実際に有する痛みに関連した情動喚起画像(腰痛に関する画像)を提示し,画像編集ソフトを使用して対象者の指で自由に情動喚起画像内の痛み部位を擦り消去する課題を実施する.それにより,自らの腰痛に関連した画像内の痛み部位が視覚的に消去されることよって,対象者自身の痛みや不快感に与える影響と治療効果の有無を確かめることであった. しかしながら,令和3年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響で医療施設での実施は困難であった.その対応として,個別に学内で非特異的慢性腰痛者1名および特異的慢性腰痛者1名に依頼し,それぞれの対象者にABABシングルケースデザインにより検証を実施した.結果,非特異的慢性腰痛への鎮痛効果が認められたが,特異的慢性腰痛者には鎮痛効果が認められず,本アプローチにおける適応についても考える必要性を示唆するものとなった.今年度は引き続き複数名での検討を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は,慢性疼痛者を対象に痛みの情動的側面に対する治療手段について検証予定であったが,新型コロナウイルス感染症によって,医療施設での実施は困難であったため「遅れている」と判断した.しかしながら,非特異的慢性腰痛者および特異的慢性腰痛者に対するABABシングルケースデザインによる検証は実施し結果が得られている.令和5年度は対象者を増やし,さらに検証する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に非特異的慢性腰痛者および特異的慢性腰痛者に対するABABシングルケースデザインによる検証は実施している.令和5年度は対象者を増やしての検証を実施予定である.医療施設における新型コロナウイルス感染症に対する規制も緩和が進むことも予想できるため,医療施設で実施の可能性も考えられるが,それまでは学内における対象者への検証を実施していく.
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