研究課題/領域番号 |
19K11405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
荒木 優 産業医科大学, 医学部, 准教授 (20620553)
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研究分担者 |
荻ノ沢 泰司 産業医科大学, 医学部, 講師 (20596720)
尾辻 豊 産業医科大学, 医学部, 教授 (30264427)
片岡 雅晴 産業医科大学, 医学部, 教授 (20445208)
宮本 哲 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (30611305)
岩瀧 麻衣 産業医科大学, 医学部, 助教 (40771308)
園田 信成 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (90299610)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 心臓リハビリテーション / 慢性心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦において増加の一途である慢性心不全は高齢者の生活の質を著しく低下させ、医療経済の面からも大きな課題である。心臓リハビリテーション (以下心リハ) は慢性心不全患者のQOL向上・運動耐容能改善・再入院予防を達成する。しかし本邦における慢性心不全の監視下心リハは保険制度上短期間しか認められておらず、それ以降は自己管理に委ねられている。われわれは「高齢慢性心不全患者への監視下心リハの中断後は早期に運動耐容能が増悪する。」と仮説を立て、前向き研究を行い心リハ中断が高齢者心不全に及ぼす影響を運動負荷心エコー、呼気ガス分析、血管機能や筋力、BNP、炎症マーカーを含む血液検査等で多面的に評価する。
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研究実績の概要 |
安定期にある慢性心不全患者に対して運動療法を実施することにより、運動耐容能、生活の質、長期予後など多くの有益な効果が得られることが報告されている。また一定期間の運動療法や、その際に適切な指導が行われた場合には外来での監視下運動療法の後、自宅での非監視下運動療法でもその効果は持続すると言われている。しかし進行する本邦の高齢化の中、高齢心不全患者が増加している現状で非監視下の運動療法にどれほどの効果があるのかは知られていない。われわれは高齢慢性心不全患者への監視下心臓リハビリテーション (心リハ) の中断後は早期に運動耐容能が増悪するとの仮説を検証するために、高齢心不全患者を心リハ中断群と心リハ継続群にランダムに振り分け、運動耐容能等を比較検討する。現在まで平均年齢75±10歳の高齢心不全患者8人に外来心リハを行い、心リハの中断3か月後に再度評価を行った。嫌気性代謝閾値 (AT) 時の酸素摂取量は12.4±1.4mL/kg/minから9.8±2.0mL/kg/minに低下し、AT時の負荷量は58.6±14.1ワットから41.3±13.4ワットに低下していた。BNPは46pg/mLから98pg/mLに増加していた。またこれらの値は監視下心リハを再開した1か月後には中止前のレベルに復していた。 運動療法は適切な指導により非監視下でも効果が持続すると言われているが、高齢者に関しては監視下心リハを中断すると運動耐容能や慢性心不全のコントロールが悪化する可能性が示唆された。 この中間結果から次に導かれる展開として、高齢者における監視下運動療法の保険上の延長や、監視型と非監視型の中間的な心リハの整備、さらにはITなどを用いた簡便かつ有効な非監視型心リハの研究、普及などが望まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
目標対象者数は心リハ中断群と継続群でそれぞれ50人ずつであるが、Covid-19により外来心リハが長期間中断した。徐々に患者数が増えているものの、依然として患者さんの外来心リハへの志向が低い状態が続いている。
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今後の研究の推進方策 |
Covid-19の外来心リハ制限が解けた時点からエントリーを再開したが、外来心リハの患者さんの志向が低下している。関連施設との連携を試みる。
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