研究課題/領域番号 |
19K11412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
細 正博 金沢大学, 保健学系, 教授 (20219182)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 拘縮 / 慢性炎症 / 老化 / 創傷治癒 / 筋線維芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
関節可動域制限(以下、拘縮)は、理学療法士にとって最も重要な治療対象の1つである。ラット膝関節拘縮モデルを用いて、免疫組織化学的に筋線維芽細胞の出現数を指標に、拘縮と創傷治癒、老化、慢性炎症の関連性を検討することで、関節疾患全般を横断的に理解し、新たな疾患概念の構築を試みる。この研究目的に則った研究は、申請者が検索した限りで、これまで行われていない。
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研究成果の概要 |
ラット膝関節拘縮モデルを用いた実験により、関節可動域運動による訓練を加えることによる関節可動域の変化と、関節包に出現する筋線維芽細胞数の変化について検討を行った。筋線維芽細胞の同定にはα-SMA免疫染色を用い、血管周皮細胞、血管平滑筋細胞を除外するためCD34染色を併用した。 結果、対照群および運動群と比較して、固定群では筋線維芽細胞と考えられる細胞が有意に増加していた。従って関節可動域運動が関節包の線維化を引き起こす筋線維芽細胞数の増加を抑制し、ひいては関節固定により惹起される関節包の線維化の進展を抑制できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究により、関節固定に伴う関節可動域制限の責任部位として関節包が指摘されており、とりわけその線維化および肥厚が関節可動域制限の原因と考えられた。今回の実験により関節包の線維化に筋線維芽細胞が関与することが示唆された。筋線維芽細胞は創傷治癒時に出現することが知られており、その筋線維芽細胞が関節固定時の関節包に出現することから、関節固定による病的変化と創傷治癒の間に共通した機序が働いている可能性が示唆された。また筋線維芽細胞数は関節可動域運動により抑制される可能性が示唆され、理学療法による介入により関節可動域制限を予防あるいは緩和できる可能性が示唆された。
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