研究課題/領域番号 |
19K11415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木下 彩栄 京都大学, 医学研究科, 教授 (80321610)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルツアイマー病 / アミロイドβ / 老人斑 / 運動 / マイオカイン / アルツハイマー病 / 認知症 / FNDC5 / irisin |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化により、認知症患者が激増しているが、その最大の原因疾患となるアルツハイマー病(AD)の根本的治療法はまだない。そこで、申請者らは、認知症発症の予防に有効と考えられている運動療法に着目した。運動介入は、疫学的に有効とされているが、その詳細な機序については、まだ十分解明されていない。我々は、運動により筋より放出されるmyokineが関与しているという作業仮説をたて、それを検証するために、本研究を立案した。このmyokineが、ADの病因であるアミロイドβの代謝を抑制することにより、ADの病態を改善させるかどうか、in vitroおよびin vivoで検証しようと考える。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー病への介入としての運動療法は疫学的研究の結果より極めて注目されている。我々は、ここに、筋より放出されるmyokineの関与に着目した。myokineの一種であるFNDC5はAPPのβ切断部位にBACE1と競合的に結合してBACE1の活性を低下させ、その結果として、Aβ40, 42の産生を減少させることを示した。運動により、筋よりFNDC5が産生されると、それが切断されて短いペプチドであるirisinとなって血中を巡り、(不明な機序で)神経細胞に働きかけてAβの産生を抑える可能性があることが推定され、運動によるアルツハイマー病の進行予防の機序の一つとなり得るかも知れない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルツハイマー病は現時点では根治療法がなく、現在開発されている治験薬も非常に効果であると言われている。また長期における副作用も懸念される。今後、高齢化の進行により、アルツハイマー病患者がさらに増加することは確実であり、運動療法のように、効果的かつ副作用のない介入が求められる。本研究のように、運動療法の効果の機序を解明することは、将来的にエビデンスを持った介入の確立に重要であり、新たな創薬のターゲットとなり得る。
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