研究課題
基盤研究(C)
(1)嚥下障害の生理・運動学的現象の解明および誤嚥と咽頭残留の予測嚥下障害患者における嚥下反射中の高解像度インピーダンスマノメトリー計測から得られるパラメータ(上咽頭内圧、舌根部内圧、上部食道括約筋弛緩時間・弛緩圧など)を解析する。これらのパラメータの時間・空間的なパターン認識を行うことにより誤嚥や咽頭残留が予測可能かどうかを検討する。(2)嚥下障害患者に対する新たな治療法の開発食道刺激による嚥下反射誘発を利用した嚥下障害治療の開発を行う。健常者で最も効果的に嚥下反射を誘発する食道刺激の条件を確定した上で、嚥下障害患者でのパイロット研究を検討する。
食道内への液体注入による嚥下反射誘発を用いた嚥下障害治療の開発を行うことを目的に、健常者で最も効果的に嚥下反射を誘発する最適条件を検討した。結果は、食道下部よりも上部で、注入量は3mlよりも10mlで、注入速度は3ml/secよりも10ml/secで最も効果的な嚥下反射が誘発された。また高解像度マノメトリーを用いて、舌保持嚥下(舌を口唇より前に出して行う嚥下)の効果を解析し、上・中咽頭での収縮力増加が得られることが示された。さらに、新型コロナウイルス感染症に起因した嚥下障害症例の解析を行い、舌咽・迷走神経障害による咽頭内圧の低下、咽頭感覚の低下が嚥下障害の原因であると示唆された。
食道の部位、注入量・速度により嚥下反射誘発の起こりやすさに違いがみられたことは、上喉頭神経内枝、反回神経、迷走神経食道枝の分布と受容体の感受性を反映しているものと思われた。今後は嚥下障害患者の解析を検討している。高解像度マノメトリーが嚥下障害の生理学的病態、嚥下訓練法の生理学的現象を客観的に捉えられることがわかってきた。嚥下障害患者の治療指向的な評価手段として、高解像度マノメトリーの臨床展開が期待される。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 10件) 図書 (3件)
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