研究課題/領域番号 |
19K11444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
石指 宏通 奈良県立医科大学, 医学部, 教育教授 (50260807)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 運動 / 季節変動 / 日内変動 / VWF / ADAMTS13 / フォンビルブランド因子 / 運動強度閾値 / 血栓形成関連因子 / 加齢 |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツ活動時にみられる「向」血栓性は血小板、VWF、ADAMTS13(血栓形成関連因子)の三者に生じるバランスの乱れに起因していることが推察される。血栓化傾向の著増する「運動強度閾値」の存在することが明らかにされ、スポーツ実施に際しては「運動強度」に十分注意する必要性が示唆されている。しかし、日本のように四季が認められる地域では、実際のスポーツ活動において、血栓化傾向は外気温等の環境の影響を受けることが予想され、「運動強度閾値」も季節や時間帯により変化することが考えられる。本研究は、スポーツ時にみられる「向」血栓性の日内・季節変動、およびその老化の影響について検討するものである。
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研究実績の概要 |
本年度は、新たに4名の若年成人(男子大学生)について、これまで同様に夏季(8月)の7時30分(AM)と18時(PM)に55%HRmax下のランニング運動を負荷し、その前後の血栓形成関連因子(VWFとADAMTS13)の測定を行い、昨年までの測定結果に追加することで、血栓化の始まると考えられる運動強度閾値が時間や季節の影響で変動するかについて明らかにした。 その結果、いずれの季節(夏季・冬季)、時間(AM・PM)においても運動による血栓形成関連因子の変動には統計的な差は認められなかった。このことは、今回設定した運動強度閾値(55%HRmax)下の運動において血栓傾向に変動は見られず、季節・時間の影響は受けないことを示す結果となった。しかしながら、冬季はAM、PMとも運動前からVWFが高値を示し、その傾向はAMに顕著であった(冬季vs夏季:121.1% vs 99.4%)。血栓化の指標であるV/A値(VWF/ADAMTS13)も同様で、冬季のAMに最も高値を示したことから、運動実施の際には十分に考慮する必要がある。 また今年度は運動前に血栓化傾向の最も高い状態にあった冬季のAMにおいて強度閾値を超える中等度運動(60%HRmax)を負荷し、血栓形成関連因子の変動について測定した。運動後のVWFは159.8%と高値を示す結果であった。このときのV/A値は1.67と、強度閾値下である55%HRmax下の1.26を大きく上回る結果を示した。運動実施時の強度設定には十分な注意を払う必要性が示唆された。
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