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習慣的な運動による認知機能の改善に脳血管の拡張反応性は寄与するか?

研究課題

研究課題/領域番号 19K11467
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関北翔大学

研究代表者

井出 幸二郎  北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (00526783)

研究分担者 服部 正明  東海大学, 国際文化学部, 教授 (70208544)
沖田 孝一  北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (80382539)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード脳血管 / 低酸素 / 前頭前野 / 心拍数 / 心拍変動 / 自律神経 / 前頭極 / 近赤外線分光装置 / ヘモグロビン容積 / 認知機能 / 拡張反応性 / 全身持久力
研究開始時の研究の概要

運動による動脈硬化の予防は,脳血管障害のみならず認知症の予防に有効である.動脈二酸化炭素分圧の上昇や酸素分圧の低下に対して,脳の血管は拡張反応を示し,その拡張反応性は動脈硬化により低下し,認知症や軽度認知障害高齢者でも低下し,認知機能レベルと相関する.本研究では,全身持久力,脳血管の拡張反応性,認知機能の相関関係の有無について明らかにし,運動習慣やトレーニングが脳血管の拡張反応性の亢進を媒介として認知機能の改善効果をもたらすのかを検証する.さらに,有酸素性トレーニングによる生活習慣病の改善が脳血管の拡張反応性を媒介とし認知機能に影響するかについて検証する.

研究実績の概要

本研究では,横断的研究により若年者と高齢者を対象に、換気閾値により全身持久力を評価し,低酸素に対する前頭前野のヘモダイナミクスを近赤外線分光装置により測定し脳血管拡張反応性を評価し,ストループ課題の反応時間から認知機能を評価し、全身持久力,脳血管の拡張反応性,認知機能の相関関係の有無を検討した。
若年男性においては、低酸素に対する総ヘモグロビンの変化は全身持久力や認知機能との関連性は認められなかった。このことは若年男性において低酸素に対する脳血管反応性は、全身持久力に影響を受けず認知機能とも関連性がないことを示唆するものである。一方、酸素化ヘモグロビン(Hb)や脱酸素化Hb、組織酸素飽和度の変化は前頭極及び腹外側前頭前野において左右で異なり、非対称性であることが明らかとなった。また、前頭極の総Hbの変化は心拍数の変化と負の相関関係を示した。これらのことは、近赤外線分光装置による低酸素に対するヘモダイナミクスの変化は、単純に低酸素による血管の拡張だけを反映しているのではなく、低酸素により前頭前野の活動に変化が生じ、神経活動も前頭前野のヘモダイナミクスの変化に関与しているのではないかと考えられる。高齢者においては、若年者で見られた酸素化Hbや脱酸素化Hb、組織酸素飽和度の変化の非対称性は腹外側前頭前野では維持されたが、前頭極では非対称性が失われた。低酸素に対する総Hbの変化は、心拍変動と相関することが明らかとなった。また、低酸素に対する総Hbの変化は、ストループ課題における反応時間とも相関することが明らかとなった。高齢女性においては、高齢男性と同様に、酸素化Hbや脱酸素化Hb、組織酸素飽和度の変化の非対称性は腹外側前頭前野では確認されたが、前頭極では非対称性が認められなかった。高齢女性では、低酸素に対する総Hbの変化は、心拍数、心拍変動や認知機能とも相関関係が認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ感染症蔓延によりデータ取得を停止していた。コロナ感染症は落ち着きはじめていたが、インフルエンザの感染が広まったため、データ取得の再開を控えていた。昨年は感染症が落ち着き、学内での研究活動再開の雰囲気が出るまでの間、データ取得の再開のための準備をしていた。

今後の研究の推進方策

近赤外線分光装置を用いて前頭前野のヘモダイナミクスから低酸素に対する脳血管拡張反応性を評価していたが、低酸素に対する前頭前野のヘモダイナミクスは低酸素による単純な血管拡張反応を反映しているのではなく、低酸素により前頭前野の神経活動が変化し、低酸素に対する前頭前野のヘモダイナミクスの変化は、低酸素の直接的な血管拡張に加え、低酸素によって誘発される神経活動をも反映しているのではないかと考えるに至った。これまで多くの研究で有酸素性トレーニングにより高齢者の認知機能の改善が報告されてきたが、本研究ではその認知機能の改善に脳血管の拡張反応性の変化が伴うのか、明らかにすることを目標とし、研究開始当初の計画では、最終的には高齢者を対象とした有酸素性トレーニング研究とした縦断的研究を計画していた。しかし、末梢の化学受容器の刺激により前頭前野の活動が変化しそれが前頭前野のヘモダイナミクスに影響しているのかを検証しつつ、 全身持久力と認知機能と低酸素に対する脳血管拡張反応性との関連性について、引き続き横断的な研究により検討する。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Acute hypoxia elicits prefrontal oxygenation asymmetry in young adults2023

    • 著者名/発表者名
      Ide Kojiro
    • 雑誌名

      Neurophotonics

      巻: 10 号: 04 ページ: 1-17

    • DOI

      10.1117/1.nph.10.4.045002

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 低酸素負荷に対する脳血管反応性における加齢の影響2022

    • 著者名/発表者名
      井出幸二郎、服部正明、沖田孝一
    • 雑誌名

      北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報

      巻: 12 ページ: 59-62

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 高齢男性における低酸素負荷に対する脳血管反応性、実行機能、全身持久力との関連性2020

    • 著者名/発表者名
      井出幸二郎、服部正明、沖田孝一
    • 雑誌名

      北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報

      巻: 11 ページ: 17-21

    • NAID

      120007035030

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 若年者において低酸素負荷に対する脳組織酸素飽和度の低下と全身持久力は負の相関関係を示す2022

    • 著者名/発表者名
      井出幸二郎、服部正明、沖田孝一
    • 学会等名
      日本体力医学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 高齢男性における低酸素負荷に対する脳血管反応性、実行機能、全身持久力との関連性2020

    • 著者名/発表者名
      井出幸二郎、服部正明、沖田孝一
    • 学会等名
      日本体力医学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 中高齢男性における低酸素負荷に対する 脳血管反応性と有酸素性作業能との関連性2019

    • 著者名/発表者名
      井出幸二郎、服部正明、沖田孝一
    • 学会等名
      日本体力医学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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