研究課題/領域番号 |
19K11483
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 名誉教授 (50125712)
|
研究分担者 |
近藤 徳彦 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70215458)
奥島 大 大阪国際大学, 人間科学部, 講師 (70735307)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 活動筋局所レベルの酸素消費量 / 活動筋の酸素不足 / 活動筋局所レベルの酸素消費動態 / 酸素供給量 / 酸素需給ミスマッチ / 仰臥位運動 / 脱酸素化ヘモグロビン / 呼吸補償点 / 酸素消費量 / 酸素消費 / 酸素供給 |
研究開始時の研究の概要 |
運動を長く続けるためには活動筋への適切な酸素供給が不可欠である。これまでヒトでは全身および単一の活動筋の酸素消費(VO2)と酸素供給(QO2)の応答速度が異なることが明らかにされている。この背景には、運動時に動員される筋線維の種類と毛細血管血流の分布が複数の筋肉間、あるいは同一の筋肉内で異なるので、局所レベルのVO2とQO2の応答にミスマッチが起き、VO2の応答に不均一が生じるためと予想される。この検証のため、1)運動の強度が急に変化する時、VO2が定常状態に達するまでの時間は部位ごとに異なるのか?2)局所部位におけるVO2の不均一度が活動筋全体の酸素不足発生に関与するのか?を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究では、活動筋の局所レベルにおける酸素消費量(VO2)応答の不均一性に着目して、活動筋の酸素不足発生に及ぼす影響を明らかにする。活動筋のVO2を規定する要因として、①筋肉細胞の酸素利用と②微小循環における酸素の需要と供給のミスマッチ・空間不均一性 (部位差)が示唆されている。立位・座位姿勢 に比べて仰臥位姿勢では、重力負荷の減少によって下肢の循環潅流圧と血流量(酸素供給量、Q)が低下するので、運動耐容能が減少する。しかし、活動筋の局所的な酸素需給ミスマッチが活動筋全体の酸素不足にどの程度の影響を与えるのか不明である。今年度は、仰臥位・自転車運動における活動筋の局所的なQの減少と酸素需給ミスマッチが、活動筋の酸素不足に及ぼす影響を明らかにした。 結果:座位運動に比べて、仰臥位運動では活動筋の表層筋に加えて深層筋においても局所的な酸素需給ミスマッチが生じた。したがって、活動筋レベルでは拡散による酸素運搬がある程度増加したが、潅流による酸素運搬が減少したために活動筋全体のVO2応答が遅れたと推測される。さらに、仰臥位における事前運動は、主運動(第2運動)における活動筋全体のVO2応答を速くした。とくに、主運動における活動筋の酸素抜取りの程度(脱酸素化ヘモグロビン)は座位運動よりも大きくなった。仰臥位において事前運動よりも主運動のVO2応答が速くなった理由として、活動筋の酸素運搬量の増加とともに筋肉細胞内の酸素利用の促進が示唆された。今回の結果は、事前運動に続く主運動VO2応答の迅速化は活動筋への酸素運搬量の増加のみに依存しないことを示唆する。したがって、活動筋局所におけるVO2応答の調節は、微小循環レベルの酸素運搬、および筋肉細胞内の酸素利用、両方の相互作用に関連すると考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述の研究実績に加えて、本年度は活動筋の局所レベルにおけるVO2応答の不均一性を計測する予定であった。しかし、 ヒトを対象とする運動実験の一部が実施できなかったので、研究の進捗が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
活動筋の局所レベルにおけるVO2応答の不均一性を計測する。そして、前年度までの研究結果と併せて、 活動筋の酸素不足発生の仕組みを総合的に考察する。
|