研究課題/領域番号 |
19K11486
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
本多 賢彦 近畿大学, 医学部, 助教 (10455545)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | Vgll2 / 遅筋 / 好気的代謝 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / 骨格筋 / 生活習慣病 / 筋代謝 / 転写コファクター / 過剰発現マウス |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究は、生活習慣病の新規治療法の分子基盤構築を目的とする。骨格筋は、全身の代謝を左右する器官として注目されている。骨格筋における遅筋線維と速筋線維の混在比率は、身体活動に応じて変化する。運動による遅筋線維比率の増加は、脂質の消費量や糖取り込み能の増加につながるので、生活習慣病の治療効果があると考えられるが、継続的な運動管理は難しく、新規治療法の開発が望まれる。しかしながら筋代謝調節機構の解明は十分でない。そこで本申請研究では、遅筋化促進因子であるVgll2の筋特異的過剰発現マウスを作出し、好気的代謝促進因子としての機能解明を行うとともに、Vgll2を介する筋代謝調節機構の解明を行う。
|
研究成果の概要 |
骨格筋は安静時には全身の2割を占めるほどのエネルギー消費を行う。本研究では、筋線維タイプと代謝能力との密接な関係に着目して、遅筋化制御因子であるVgll2の発現レベルが個体の肥満耐性にも影響をおよぼすか、遺伝子改変マウスを用いて検討を行った。 まず筋特異的にVgll2を過剰発現するトランスジェニック(Vgll2 Tg)マウスを新たに作製し、4系統を得た。さらに、通常飼育したVgll2 Tgマウスの体重増加率が、野生型マウスと比較して有意に低下していることを見出した。一方、Vgll2欠損(Vgll2 KO)マウスに高脂肪食を与えたときの体重増加率は、野生型マウスと比較して有意に上昇していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、独自に作出したVgll2 KOマウスおよびVgll2 Tgマウスを用いて、Vgll2の発現レベルが個体の肥満しやすさに関係している可能性を示すことに成功した。研究期間内に分子機構の解明までには至らなかったが、Vgll2は骨格筋選択的に発現することから、筋代謝調節を介して、全身の代謝に影響をおよぼしているものと考えられる。運動刺激によって活性化する点を加味すると、Vgll2の制御機構には、人為的に活性操作の可能な、生活習慣病の治療標的となる分子が存在する可能性は高い。
|