研究課題/領域番号 |
19K11489
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
速水 達也 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (50551123)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 位置覚 / 関節角度調節 / 筋電図 / 抽象表現 / 関節角度 / 筋活動 / 運動感覚 |
研究開始時の研究の概要 |
体育・スポーツの指導現場では、フォームや適切な動作を習得するための指導方法として、「少し伸ばして」や「さらに曲げて」など、口頭での抽象的な表現方法が多用されている。しかしながら、その表現を対象者がどの程度正確に把握し実現できているかは、指導者の主観的な評価が主となっており、客観性に欠ける。本研究では、そのような抽象表現での指示によって、ヒトがどの程度目的とした関節角度を実現できているかについて明らかにする。また、その際の筋活動などについて調べることで、運動制御の観点からも解明を試みる。将来的には、体育・スポーツの現場おける効果的且つ合目的な指導方法確立への実践研究へと発展させる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、抽象表現による口頭での関節角度呈示における関節角度調節の正確性を明らかにするとともに、その際の筋活動および上位中枢の活動を解明することを目的とした。上肢の関節角度調節は位置覚と関係性があり、伸展角度が大きい場合にその精度が低下することが示唆された。また、「少し」という曖昧な表現は運動実施者の角度イメージを混乱させ、それにより関節角度調節が困難となる可能性が考えられた。さらに、筋活動動態と上位中枢の興奮性には一貫性が見られなかった。一方で、下肢に関しては、異なる関節角度における位置覚の変化は認められず、抽象表現呈示下における関節角度調節との関係性はないことが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は、先行研究で多く行われているあらかじめ設定されていた客観的な数値としての関節角度に対する位置覚や関節角度調節の様相ではなく、抽象表現によって関節角度の程度を呈示した場合において対象者がどのように関節角度をイメージするか、また、その際の関節角度調節の正確性に関節位置覚がどのように影響を及ぼしているかを明らかにした点で学術的意義がある。社会的意義として、体育、スポーツの教育・指導場面において多用される抽象的な表現での関節角度呈示について、「少し」の表現が曖昧さを助長し、目的とした身体運動を効果的に実現することが困難となることを裏付ける根拠になると思われる。
|