研究課題/領域番号 |
19K11506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 至学館大学 |
研究代表者 |
後藤 英之 至学館大学, 健康科学部, 教授 (30347405)
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研究分担者 |
飯本 雄二 至学館大学, 健康科学部, 教授 (00184367)
水谷 未来 至学館大学, 健康科学部, 助教 (10750094)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 慣性計測装置 / 3次元動作解析 / 投球動作 / 肘関節 / 肩関節 / 加速度 / 内側側副靭帯 / せん断波エラストグラフィ / 内側側副靱帯 / 剪断波エラストグラフィ / 弾性係数 / 野球肘 / 3次元動作解析法 / 障害予防 |
研究開始時の研究の概要 |
野球肘発症の原因は投球動作中に多大な力学的負荷がかかるためである。このため、多くの野球選手が肘障害を発症し競技を断念している。個々の選手について投球時の肘への力学的負荷量がわかれば、過度な投球による障害発症を減らせる。そこで、本研究は身体に装着するだけで測定可能な慣性計測装置と3次元動作解析を組み合わせて、投球中の肘関節への力学的負荷をより高い精度で測定し、安全な投球強度を示すことによって野球肘の発症を予防することを目的とする。
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研究実績の概要 |
野球肘の予防に活かすために慣性計測装置(inertial sensor)を用いて投球時の力学的負荷を簡便で汎用性の高い手法で計測することを目的に研究を行っている。本研究に着手した5年間の活動によってinertial sensorによる投球動作中の肘関節への力学的負荷の測定結果を、3次元動作解析装置との同期によって精度検証を行い、正確な加速度解析を行う手法を確立した、2020年度には、大学野球選手20名を対象に測定し、2021年度は屋外での計測に着手し、高速度カメラおよび付属機器と加速度計との同期ユニット、発光ユニットを利用して、コッキング後期のタイミングを判別し、屋外での高速の投球動作を安定して計測できるようになった。これにより大学女子および男子野球選手に対して、屋外での実戦投球時の肘関節力学的負荷を計測し、投球フォームとの関連や球種、ボールの種類による変化、肩関節可動域・肩甲骨の可動性について横断的研究ならびに介入研究による縦断的研究を行った。その成果を、日本肘関節学会および日本肩関節学会で発表するとともに、日本肘関節学会誌、日本肩関節学会誌に投稿し受理された。2023年度に予定していたトレーニングによる長期効果の検証が、コロナ感染症、計測機器の故障などの影響を受け、思うように被験者の確保が進まず、十分なデータを得るには至らなかったため、2024年度まで研究期間を延長して、さらに精緻に研究目的を達成、これらの成果を英文化し、英文雑誌に投稿する。また、慣性計測装置による解析方法の実行可能性と有効性を判定し、研究計画の作成と研究方法および論文執筆に関して助言と忠告を与えるために飯本雄二氏を研究分担者としていたが、その役割が不要となり、今後も研究活動に参加する可能性が低いと判断したため、飯本雄二氏を研究分担者から削除した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
私たちの施設には3次元動作解析装置(QUOLISYS)、ハイスピードカメラ、解析ソフトがあり、また共同研究者(水谷未来)は同装置による計測方法について、学術的見識があったため、適切な動作解析方法を選択することができた。また、大学生野球選手を対象に、屋外(野球場)計測の正確性が実証できたため、慣性計測装置(MVP-RF10-AC:MicroStone社)および、投球速度および回転数、回転軸の測定が可能な装置(Rapsode)を導入し、介入研究による野球肘の予防プログラムの効果を検証している。また、肩関節と肘関節の加速度を同時に測定する手法を確立した。これらの成果を生かして、2022年度から肩甲胸郭部の柔軟性改善トレーニングによる介入研究による短期効果を検証した。その成果は日本肩関節学会、日本肘関節学会において学会発表および、論文投稿を行った。今後は長期的な野球肘障害の予防効果を検証する必要があるが、2023年度に予定していたトレーニングによる長期効果の検証が、コロナ感染症、計測機器の故障などの影響を受け、思うように被験者の確保が進まず、十分なデータを得るには至らなかったため、2024年度まで研究期間を延長して、さらに精緻に研究目的を達成、これらの成果を英文化し、英文雑誌に投稿する。
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今後の研究の推進方策 |
肩甲骨胸郭関節および胸椎の柔軟性改善による、長期的な野球肘予防効果の検証を行うため、対象者を増やして野球肘障害予防のプログラムを実施し、肩関節可動域・肩甲骨の可動性の改善の程度を調査することによってその効果を検証し,その結果として肘関節にかかる加速度の変化や、投球フォームの変化が認められるか,短期及び中・長期的な介入研究を行う。さらに肩関節にも同時にinertial sensorを装着して測定を行い、肩・肘同時のデータ解析を行う。得られた結果に基づいて、負荷される加速度と投球フォームとの関連を調査するとともに、個々の投球メカニクスに合わせた、野球肘障害予防プログラムの作成を計画する。その成果を国際学会(国際関節鏡膝スポーツ整形外科学会(ISAKOS),国際肩肘関節学会(ICSES))で発表する.また,研究をまとめて英文雑誌に投稿する。
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