研究課題/領域番号 |
19K11521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
榎木 泰介 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70392701)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ミトコンドリア / レジスタンストレーニング / エネルギー代謝 / ピルビン酸 / 骨格筋 / 筋力トレーニング / 乳酸 / 筋肥大 / ピルビン酸脱水素酵素 / 糖酸化代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、体内における2つのエネルギー供給機構である、乳酸の産生(解糖)と乳酸の分解(糖酸化)に注目し、それぞれをより効率的に稼動させるために、どの様な細胞内物質が寄与するのかについて検討する。特に、高い筋力発揮と多くの乳酸産生が特徴であるレジスタンストレーニング(筋トレ)を利用する。高強度運動によってつくられるピルビン酸の、ミトコンドリアへの流入を相互連絡の起点と仮定して、それを規定する因子を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、骨格筋の強い収縮を特徴とした筋力トレーニングの有益性について、エネルギー代謝の観点から証明することである。実験では、特に骨格筋内のミトコンドリアに注目し、その適応変化について検証を行った。研究1、2年目には、実験動物を用いて筋力トレーニングを実施し、随時、分析を進めた。さらに3年目以降は、ミトコンドリア周辺のタンパク質の適応変化に狙いを定め、分析を行った。今年度は、採取した骨格筋のうち速筋線維を対象として、特にミトコンドリアの糖酸化に関連する酵素であるPDHの適応変化について分析を進めた。 筋力トレーニングによる有益な効果として、骨格筋内のエネルギー代謝を調節する酵素の適応変化が挙げられる。この変化には、酵素量の増加と酵素活性の亢進の2つが考えられる。加えて、今年度は、酵素の量や活性を制御する他の酵素の適応変化について、検討を進めた。その結果、習慣的な筋力トレーニングによってミトコンドリア膜に存在するPDHは増加するが、それを制御する2種類の酵素(PDPとPDK)については、それぞれ異なる適応変化が確認された。加えて、習慣的な筋力トレーニングを行うことで、安静時のPDHの活性および不活性の比率が大きく変化することがわかった。 これまでの先行研究では、主に持久的トレーニングによるミトコンドリアの適応変化を検証したものが多く、筋力トレーニングによる変化についての知見は十分ではない。今回の研究結果は、持久的トレーニングによる適応変化とは異なるものであり、特に、PDHを抑制するPDKについては、PDK2とPDK4で異なる変化を示した。加えて、習慣的な筋力トレーニングによって、安静時の脂質代謝活性が亢進する可能性が示唆された。これら本研究の結果は、筋力トレーニングによるミトコンドリアの適応変化と、そのエネルギー代謝能力の亢進を示唆する貴重な知見となった。
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