研究課題/領域番号 |
19K11558
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
張 月琳 上智大学, 理工学部, 准教授 (20635685)
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研究分担者 |
小山 貴之 日本大学, 文理学部, 教授 (80579110)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 脳振盪 / 発症リスク / 動作解析 / 衝撃解析 / 頭部有限要素モデル / コンタクトスポーツ / 衝突解析 |
研究開始時の研究の概要 |
可逆性をもつ脳震盪は軽度の損傷として軽視されてきたが,繰り返す発症による重症化や慢性外傷性脳症(セカンドインパクト症候群)に至ることが知られるようになった.そのため衝突時の脳震盪の発症をいち早く客観的に判断することが極めて重要である.申請者はシミュレーションを用いて衝突時における頭蓋内の力学パラメータによって脳震盪の発症リスクを推定する手法を提案した.本研究では,この既存の手法を基に,神経線維を考慮した頭部有限要素モデルの開発および症例数を増やすことによって発症リスクの推定精度を高め,さらに3次元画像解析を用いた衝突時の動作解析の自動化によって手法の汎用性の向上を目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,脳振盪の発症リスク推定手法の汎用性および推定精度を高めるために,多方向ビデオ映像による3次元画像解析手法を用いた動作解析の自動化手法を提案した.提案したシステムを用いて4方向から撮影された小学生が受けとなる柔道の投げ技を解析した.柔道の取りの体格の変化が受けの頭部に生じる力学負荷への影響を定量的に評価できたため提案手法の有用性を示した.スポーツ脳振盪において,収集した脳振盪の受傷時のビデオを解析し,各受傷の機転で得られた頭部に生じる頭部への衝撃力,頭部重心に生じる並進・回転加速度を定量的に比較した.その結果,本提案システムによる脳振盪発症メカニズムの解明が可能であることを示唆した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では事故時のビデオのみで脳振盪の発症リスクを推定するシステムの提案した.頭蓋内の力学負荷を時間的・空間的な分布を可視化によって,高力学負荷部位の推定が可能となり,これらの部位と脳振盪の症状との比較で発症メカニズムの解明ができると考えられる. 本提案システムで得られる衝突時の動作,脳振盪発症リスクおよび高負荷部位の可視化によって,経験不足の教育現場においての指導ビデオの提供,危険プレーの可視化による注意喚起および頭部プロテクターの緩衝材の定量評価が可能となる.また,本システムの実現により,医学的にも,患部範囲の早期診断により適切な処置の実施および予後のモニタリング等の一助となると考える.
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