研究課題/領域番号 |
19K11562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
岩沼 聡一朗 帝京科学大学, 教育人間科学部, 准教授 (70634369)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 知的障害 / アダプテッド・スポーツ / 筋機能 / 筋内脂肪 / 介護予防 |
研究開始時の研究の概要 |
知的障害者は、運動器・運動能力の脆弱化が一般人よりも早く現れ、要介護状態に陥る。ゆえに、知的障害者は筋機能低下への対策を若・中齢期から行う必要がある。だが、その方策を立てる根拠が乏しい。例えば、知的障害者の筋機能の個人差とその要因については明らかでない。また、知的障害者を対象にした先行研究ではマシンを使ったトレーニングが主であるが、福祉現場での応用が難しい。本研究では筋機能に影響を及ぼす筋量、神経系のはたらき、筋内の非収縮組織の割合に着目し、成人知的障害者の筋機能の個人差の要因を明らかにする。また、その結果に基づいて、成人知的障害者向けに、福祉現場でも応用可能な介入プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究では、知的障害者のサルコペニア予防に向けて、①成人知的障害者の筋機能の個人差の要因を明らかにすること、②その結果に基づいて、成人知的障害者向けに、福祉現場でも応用可能な介入プログラムを開発することを目的としている。成人知的障害者の筋機能の個人差の要因の解明[研究①]に取り組む計画であり、現在も引き続き進行中である。当初の計画では、知的障害のある成人の測定、および知的障害のない成人の測定を実施し、データ取得を目指す予定であった。 2023年度は、研究①に関するデータについて、知的障害のある成人ならびに知的障害のない成人を対象に測定を実施した。測定・分析は現在進行形であり、結論までは至っていない段階にあるが、現時点では以下の傾向が見受けられる。知的障害のある若齢成人と知的障害のない若齢成人の間では、骨格筋指数(SMI)のような骨格筋の量的指標よりも、膝関節伸展筋力や歩行速度といった骨格筋の機能面において、顕著に差が現れる傾向が見られる。また、知的障害のある若齢成人は、中高強度の身体活動量(質問紙による身体活動量評価)が、膝関節伸展筋力や歩行速度と関係する傾向が見られる。すなわち、知的障害のある成人では、骨格筋の量的な面よりも質的な面で顕著に個人差が現れる可能性がある。なお、構造面での質的指標の一つである、筋内の非収縮組織の割合の評価(超音波法による筋輝度評価)については、現在分析中である。また、福祉現場でも応用可能な介入プログラムの開発[研究②]に向けて、介入プログラムの検討や運動方法(動作、負荷強度)について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度以前は、国内において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大、蔓延した。その中で、本研究で対象とする知的障害のある方の場合、重症化のリスクが高い集団として挙げられていることに加え、生活環境の都合上、クラスターが各地で発生したこともあり、研究遂行上の難しさがあった。 2023年度は、日本国内において新型コロナウイルス感染症が依然として生じていたが、社会活動の再開に伴い、知的障害のある成人の測定、および知的障害のない成人の測定の実施が可能となった。しかしながら、2022年度以前の影響は大きく、今なおも本研究の進捗は遅れをとっている。 2024年度は、対面での測定を積極的に進めて筋機能の個人差の要因を探るとともに、これまでに実施した文献調査や、オンラインサービスの活用に関する検討を活用し、本研究課題のまとめを目指す。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、これまでに取得することができなかったデータを取得すること(対面による測定)を優先的に進める予定である。研究期間終了が迫ってきていることから、研究対象者の確保に向けて、多方面かつ積極的にはたらきかけを行っていく。これまでの研究から得られた傾向に基づき、研究の焦点をよりフォーカスし、検討を進めていく。 また、これまでに実施した文献調査を活用することや、社会的因子も検討すること、オンラインサービスを活用することも(オンデマンド教材の作成等)も含めて、介入プログラムの在り方や内容について調査・検討を進めていくことで、本研究課題のまとめを目指す。
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