研究課題/領域番号 |
19K11578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
船瀬 広三 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (40173512)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | スポーツ科学 / 経頭蓋磁気刺激 / 小脳抑制 / タイミング一致課題 / 時間適応学習 / 運動学習 / 可塑性 / 運動学習小脳抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の研究室では,これまで長期間の運動スキル練習が大脳皮質一次運動野(M1)の興奮性を高めること,また,新規運動学習においても学習早期段階に続く学習後期段階期間が長い(反復回数が多い)ほど,主働作筋支配のM1興奮性は増大し,その学習保持能力も高くなることを報告した.本研究課題では,これまで研究対象として来たM1機能からの視座を展開し,多くのスポーツ種目で見られる対象物とのタイミング制御に関する運動学習の中枢機序について,経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いて小脳-M1抑制(CBI)量の変化や,経頭蓋直流刺激(tDCS)による小脳皮質の興奮性操作介入が運動学習後のCBIに与える影響について調べる.
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研究成果の概要 |
C画面上の移動標的(ボール)をバットで打ち返すタイミング一致課題(coincident timing task: CoIT task)中の外乱に対する時間適応学習中の小脳機能を検討した.被験者は,予期せぬバットスイング速度やボール速度の変化に対して,設定範囲内にボールを打ち返すよう,反応タイミング調節を指示された.ペアパルス経頭蓋磁気刺激法を用いて,時間適応学習前,学習中,学習後に小脳抑制(cerebellar brain inhibition: CBI)を測定した.その結果,CBIの脱抑制が,時間適応学習中および学習後に見られ,小脳が時間適応学習に重要な役割を果たすことが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
“タイミング制御に関する運動学習の中枢機序”を探る本研究課題は,野球やテニス等,移動標的に対してバットやラケットを正確にミートさせることが求められるスポーツスキル学習にとって重要な意義を有する.得られた結果は,タイミング一致課題学習の中枢メカニズムの解明に加えて,実際のスポーツ場面で見られる移動標的に対するタイミングスキル学習法に新たな知見を提供し,昨今,指摘される体力劣化要因になる運動の苦手意識を克服するトレーニング法の開発に資すると共に,既に優れた運動スキルを獲得しているアスリートに対しても,新たな運動スキル学習の効率化という視点から有益な知見を提供するものである.
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