研究課題
基盤研究(C)
国は「健康づくりのための身体活動基準2013」を示し、科学的根拠に基づく情報を国民の自主的な取り組みに対して支援できるよう提供している。一方で、基準策定にあたっては日本人のエビデンスが少ないという課題が残されている。本研究は、体力データと健診データから疾病発症との関連を調査し、基準値の妥当性の検証や日本人のエビデンスを蓄積するための研究を実施する。さらに、全身持久力以外の体力と疾病発症との関連を調査し、新規予防法開発に向けたコホート研究を実施する。また、体力測定結果を健康リスクの早期発見ツールとして活用するためのフィードバック方法の開発を試みる。
柔軟性と生活習慣病リスクとの関連を調査することを目的とした。性・年代別に立位体前屈の測定値から、柔軟性が「低い群」、「やや低い群」、「やや高い群」、「高い群」に群分けされた。高血圧発症の有無を目的変数とし、年齢、BMI、性別、運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣を説明変数として、Cox比例ハザードモデルを用いて分析した。柔軟性が高いほど、高血圧発症リスクが低く、最も低い群と比較すると、最も高い群では17%高血圧発症リスクが低かった。文献レビューの結果、柔軟性の測定方法や定義などについては課題が残されていた。柔軟性が向上すると動脈スティフネスや高血圧は改善するのかについて、検討がさらなる必要である。
全身持久力・筋力・柔軟性は体力の主要な構成要素である。全身持久力や筋力は、健康関連体力として重要視され、これまでに多くの先行研究によって疾病発症との関連が報告されている。一方で、柔軟性については、全身持久力や筋力といった体力ほど重要視されてこなかった。高齢化や疾病構造の変化が加速する日本においては、大きなエネルギー消費を必要としない体力も、日常生活を営むために必要な生活体力として、今後より推奨すべき体力であると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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