研究課題/領域番号 |
19K11615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
深澤 浩洋 筑波大学, 体育系, 教授 (50313432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 公教育 / スポーツ教育 / 民主主義 / 相互尊重 / 尊敬 / グローカリゼーション / 権力 / グローバリゼーション / 私的領域 / 共感 / 競技 / 自律性 / グローバル / ローカル / 公共性 / インテグリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、体育(身体教育やスポーツ教育を含む)の有する可能性をシティズンシップ教育との関係から探り、新たな体育の原理を構想するものである。体育(身体教育)は、近代国家の教育制度の推進役という役割を果たしていたが、今日、スポーツに対しては、健康増進や生きがい、感動、コミュニティの形成・再生等々といった役割が期待されている。また、グローバル化の進展による世界的情勢の変化には、今日の公教育に対する見直しや教育改革を迫るものがあり、先進国においては、シティズンシップ教育の推進となって表れてきている。こうした動きに対し、体育としていかに貢献できるのかを改めて検討し、そのさらなる可能性を構想したい。
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研究実績の概要 |
公共性に関する内容を含んだ体育論・スポーツ教育論の文献に関する分析結果から、学校体育のカリキュラムに照準しつつ検討した内容(「持続可能な社会の担い手として多様性を原動力としつつ質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値創出から導出された21世紀型能力」と「保健体育における見方・考え方から課題を発見し、合理的、計画的な解決に向けた学習過程を通して、生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを継続するための資質・能力の育成」という目標との整合性を図るという課題)を受けて2023年度は関連する文献の調査を進めた。 前者の21世紀型能力の課題に関しては、英国と日本におけるシティズンシップ教育の傾向の違いから、日本における特徴を次のように描出した。日本では社会科教育との結び付きが強いために、シティズンシップ教育が二次的な位置づけにあることや、国家との結び付きが強く、市民一般よりも国家市民の育成を重視する傾向にあること、その影響が道徳教育の重視に表れていることなどである。こうした特徴は、普遍性を目指す英国の志向性とは異なり、その国家における善悪や望まれる行動を反映しやすく、相対的でローカリティを温存した性格を有することが明らかとなった。また、後者の保健体育における目標に照らすと、保健体育が普遍的な価値の追求へ向かう可能性を期待できるものであるといえた。ただし、それをいかに具体化するかといった方法については、課題を残している。 英国との特徴の違いを受けて、各国のシティズンシップ教育のあり様から各国の特徴を押さえる必要性が生じたため、関連文献の読み返し作業に着手した。そこで見出されてきたのが、ポピュリズムに象徴される民主主義の抱える問題性や権力に関する問題である。身体運動を通じて個人の主体性構築と民主主義との関係を考察するところに保健体育の可能性が見出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度に引き続き、学内における学群での組織長の補佐並びに大学院の一教育組織長として様々な対応に当たる必要があり、学内業務に忙殺されたことで、研究活動に十分な時間を割くことができなかった。 また、所属研究領域の博士後期課程の学位論文審査に向けた指導の他、日本スポーツ振興センターの再委託事業への申請、採択後の事業実施に当たったことで多くのエフォートを割くこととなり研究時間の確保が容易ではなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の遂行を1年延期することとし、2024年度は、研究成果の発表(学会発表ならびに論文発表)を進める。
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