研究課題/領域番号 |
19K11637
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高野 由美 東北大学, 大学病院, 助教 (10814361)
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研究分担者 |
舘脇 康子 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (40722202)
武藤 達士 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (80462472)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高齢者 / 骨粗鬆症 / 認知症 / フレイル / 画像解析 / アルツハイマー病 / 脳 / DXA / MRI / SPECT / 骨密度 / アルツハイマー型認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
世界最長寿国である我が国は、認知症者の増加、加齢に伴う身体的・心理的・社会的脆弱性を意味する「フレイル」な状態に対しての対応が課題となっている。認知機能低下と身体的フレイルのリスク因子が重複すること、生活習慣が大きく影響していることも知られている。さらに、骨と脳という一見無関係にみえる臓器が、相互に働きかけていることも近年明らかになってきている。この骨-脳連関(Bone-Brain Crosstalk)が高齢者のフレイルな状態にどのように関連しているかを解明することで、高齢者の健康増進、骨粗鬆症や認知症の発症予防に役立てることが期待できる。
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研究実績の概要 |
高齢者の骨粗鬆症では、大脳楔前部の灰白質体積と、大腿骨頚部の骨密度に有意な正の相関を示すことが、研究代表者らの予備検討で確認されている。これは、アルツハイマー病でも体積に変化のみられる脳領域である。骨密度は骨折リスクを評価する際、臨床的に標準的な指標であるが、骨密度が高くても骨質が良好でなければ、骨折のリスクは高い。骨密度は一般的にはDUal-Energy X-ray absorptmetry (DXA)を用いて計測する。しかしDXAでは骨質の評価は困難である。東北大学病院 加齢・老年病科では、外来を受診した、フレイルまたは軽度認知機能障害の高齢者を対象に、骨粗鬆症、認知症双方のバイオマーカーとされている血清ホモシステインなどの血液バイオマーカーや、各被験者の運動歴などのデータを聞き取りによって取得している。フレイルは、J-CHS基準を用いて、筋力低下や歩行速度の低下を含めて評価している。歩行機能については、携帯型3次元歩行分析計を用いて、歩行動作と歩行パターンの評価を行った。認知機能については、心理検査としてMMSEとMOCA-Jによる簡易スクリーニングを行った。脳画像は、3-T Philips Intra Achioca scannerを用いて、3次元形態画像(MPRAGE)による脳・筋繊維容積、PADRE(アミロイド・ヘム位相差強調画像)、デフォルトモードネットワーク、繊維走行および統合(DTI-FA)などの最新パルシーケンスを用いた。解析は骨格筋量と骨塩量から、認知機能に影響を及ぼす早期バイオマーカーを分析し、DXA単独では得られない骨質を評価するバイオマーカーの可能性を探る。また、脳と骨密度との関連を仲介している可能性のあるバイオマーカーの分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、対象となる高齢者との接触に配慮が必要となったため、進捗状況は遅れていた。本年度でおおよそのデータ収集を終え、次年度は解析とまとめをする予定となっている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、東北大学病院外来を受診する患者が減少したために、データ収集が困難となっていた。本年度までに得られたデータをもとに、骨-脳関連を仲介しているバイオマーカーの分析を進めていく。
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