研究課題/領域番号 |
19K11651
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
安達 三美 帝京大学, 医学部, 教授 (10323693)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 老化 / 細胞老化 / 糖質コルチコイド / SASP / IL1b / SF1 / セノリテイック薬 / IL1β / p16 / 高脂肪食負荷 / 日内変動 / セノリテイック / 時計遺伝子 / HPA軸 / GADD45A |
研究開始時の研究の概要 |
少子高齢化が進む我が国を含む先進国では、加齢により罹患率が上昇する老化関連疾患すなわち、動脈硬化、糖・脂質代謝異常症、免疫能低下、骨粗鬆症、鬱病などが増えつつある。本研究のテーマである糖質コルチコイド(GC)と老化との関係性に関しては、これまでも何報か報告されているが、GC分泌制御による治療へのアプローチの具体的な研究は報告されていない。本研究により、老化に伴い出現する新規のGC分泌活性化メカニズムが発見され、その老化への関与が明らかになれば、炎症・活性酸素・ミトコンドリアの機能・小胞体ストレスに次ぐ、老化の原因の新たな役者として老化関連疾患の治療戦略のターゲットになることが期待される。
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研究成果の概要 |
加齢により、代謝異常や免疫能低下などの老化関連疾患が罹患しやすくなるが、糖質コルチコイド(Glucocorticoid: GC)の過剰分泌によって起こる病態と共通している。そこで、老化進行におけるGCの関与を明らかにするため、加齢によるGC産生系の変化について検討した。その結果、(1)高齢の雄マウスの副腎皮質において、GC分泌は、本来低く抑制される時間帯にも過剰に分泌され、日内変動が消失すること、(2)老化細胞除去薬は、副腎に蓄積した老化細胞の除去とともに、GCレベルを改善すること、(3)副腎皮質に蓄積した老化細胞から分泌されるIL1βがGCの過剰分泌を引き起こすことを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で発見した新規の糖質コルチコイド分泌メカニズムは、副腎皮質にとどまらず、受容体を有する多くの臓器組織に影響を及ぼすことが考えられる。したがって、GC分泌様式を若返らせることにより、GCの過分泌によって引き起こされ、また老化関連疾患でもある代謝異常などの疾患の発症および老化そのものを予防、または治療できることが期待できる。さらに広く成人疾患の治療戦略として波及することが期待される。また老化細胞がどのように、組織の老化を促進するかについて理解する上で、老化研究自体に大きな示唆を与えるものである。以上より、学術的、社会的な意義は大変大きいと思われる。
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