研究課題/領域番号 |
19K11662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東口 治弘 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40436358)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 高脂質食 / 植物性脂質 / 動物性脂質 / PPARalpha / ステアリン酸 / 高脂質低炭水化物食 / 心疾患予防食 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全は心臓のポンプ機能の低下により全身に必要量の血液を供給できない状態である。さらに不全心ではエネルギー産生量が低下しエネルギー不足がさらに心機能低下を招いている。そのためエネルギー産生量を増加させ、心筋細胞に必要量を供給することが心機能を改善する可能性がある。高脂質食は脂質代謝を再活性化させ、エネルギー産生量を増加させると報告がある。そこで本研究では植物性脂質と動物性脂質の違いに注目し高脂質食による心臓への影響を分子レベルで解明し、高脂質食が心臓エネルギー機構の改善を介し、心不全の発症、進展を抑制しうるかを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
心不全ではエネルギー需要の増加に対応できず、そのエネルギー欠乏がさらに心臓に悪影響を及ぼしている。高脂質食は脂質代謝を再活性化させ、エネルギー産生量を増加させると報告がある。本研究では高脂質食が心不全の進展抑制効果を有するかを、脂質起源に注目し検討した。 高圧負荷心肥大心不全マウスモデルにおいて、高動物性脂質食では心機能が増悪し、高植物性脂質食では心機能が保持された。この差異は、植物性脂質に高濃度に含有されるステアリン酸による脂肪酸代謝の活性化が関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心不全は徐々に機能が低下していく経過の長い疾患である。そのため薬物療法に加え、日々の食事が悪化予防に重要であるが、心不全に適した食事に関する情報はほとんどない。 高脂質食は脂質代謝を再活性化させ、エネルギー産生量を増加させるが、一方で脂質の質が心血管イベントに影響を与えることが報告されている。今回の研究では脂質の質に注目し高脂質食の心臓への影響をマウスモデルで検討した。高動物性脂質食で心不全が進行したのに対して、高植物性脂質食では心不全の発症進展を防いだ。さらに、植物性脂質に高含量のステアリン酸が重要であることも明らかとした。今後はこれらの知見をもとに、臨床応用を目指す。
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