研究課題/領域番号 |
19K11664
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
梅原 隼人 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20610182)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 摂食リズム / 条件給餌 / 摂餌予知行動 / ヒスタミン神経系 / ヒスタミン受容体 / c-Fos / NPY / 視床下部 / ニューロペプチドY |
研究開始時の研究の概要 |
摂食リズムの破綻は肥満形成の重要な危険因子ですが、規則的な摂食リズムを生み出す仕組みは明らかとなっていません。多くの生物において、毎日の食事時間が限られると食事開始時刻に対する摂餌予知行動(FAA)が起こるようになります。この行動は昼夜の概日リズムとは独立した摂餌時計によって制御されると考えられていますが、その制御機構は明らかとなっていません。 筆者はこれまでに、食欲増進に関わる生理活性物質であるニューロペプチド Y (NPY)の脳内シグナルが FAA 制御に関与することを見出しています。本研究ではこのNPYによるFAAの制御機構の詳細について、様々な研究手法を用いて解明することを目指します。
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研究成果の概要 |
筆者は脳内で作られるヒスタミンという生理活性物質の摂食リズム制御における役割を明らかにする研究を行った。げっ歯類であるマウスは、一日一回同じ時刻に数時間だけエサを与えると毎日の摂食時刻を予知する摂餌予知行動(FAA)を起こすようになる。筆者は脳内でヒスタミンを産生する一部の細胞の活動がFAAのリズムすなわち摂食リズムと同調して変動することを見出した。また、脳内のヒスタミンの機能を抑制するような薬剤を投与するとFAAが起こりにくくなることを明らかにした。さらに、ヒスタミンによりFAA制御にかかわる脳内の機能部位のひとつを同定しつつある。現在これらの成果を論文にまとめている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日々の摂食時刻を予知する摂餌予知行動は明らかな概日リズムを示す。このリズムは既知の体内時計を破壊しても消失しないことから、第2の体内時計の存在が示唆されてきた。しかし、未だその本体は明らかとなっていない。本研究は摂餌予知行動のリズムを生み出す仕組みの一端を解明することとなり、未知の生体時計の解明につながる可能性がある(学術的意義)。 一方、摂食リズムの破綻は肥満の危険因子として知られ、正常な摂食リズムの制御機構の解明は、その異常により引き起こされる病態の病理機構解明にもつながりうる。したがって、本研究の成果は今後肥満やそれに伴う病態の新たな治療戦略の構築に役立つ可能性がある(社会的意義)。
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