研究課題/領域番号 |
19K11680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
福嶋 伸之 近畿大学, 理工学部, 教授 (10254161)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | オレイン酸 / PPARalpha / 解糖系 / MYC / BRD4 / 細胞周期 / 卵巣がん細胞 / 脂肪酸 / がん細胞 / 糖代謝 / CD36 / Srcキナーゼ / CDK |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、オレイン酸(OA)よるがん細胞増殖の分子機構を解明し、健康科学の発展につなげることを目的とする。がんに対するOAの作用は、増殖促進、増殖抑制の相反する報告が多いが、OA受容機構の解明がその一端を明らかにできると考えられる。そこで、がん細胞における脂肪酸受容体CD36を介したOA受容機構に注目し、その機構を明らかにするとともに、これに基づくOA摂取がOA応答性がん細胞を増殖させることを示す。得られた成果を、OAの摂取制限など適切な脂質摂取ががん治療や予防に有効であるという健康科学の科学的エビデンスとして役立て、発展させる。将来的には、プレシジョン栄養学の確立、発展に結びつける。
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研究成果の概要 |
これまで、がん細胞への脂肪酸曝露が細胞生存や増殖に影響することが報告されてきたが、オレイン酸の作用はがん細胞の種類により相反している。我々はオレイン酸がHNOA卵巣がん細胞において、解糖系の亢進により細胞生存を促進することを報告してきた。本研究では、オレイン酸の作用機序解明をおこなった。オレイン酸はPPARαを介して細胞周期を亢進した。オレイン酸による解糖系刺激にはBRD4-L-MYC-GLUTの経路が関わっていた。しかしながら、L-MYCもBRD4も細胞周期亢進には関与していなかった。したがって、オレイン酸はPPARαを介して異なる2経路、解糖系と細胞周期亢進を促進することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外来摂取した脂肪酸とがんの関連が報告されている。例えば、魚油に豊富に含まれるω-3脂肪酸の摂取が、がん治療や予防に役立つことが示唆されている。オレイン酸はオリーブ油等に豊富な脂肪酸であり、その働きも健康科学的にも注目されている。しかしながらオレイン酸はがん細胞に対して、抑制的に作用するだけでなく、促進的に作用することも示されているが、その詳細は未解明である。本研究では、オレイン酸がある卵巣がん細胞において、細胞内の糖代謝に関わる遺伝子の機能を変化させ細胞増殖を促進することを見出した。オレイン酸や脂質の適切な摂取ががんの予防や治療に有効となる可能性が示された。
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