研究課題/領域番号 |
19K11686
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
玉木 陽穂 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (60455714)
|
研究分担者 |
太田 嗣人 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60397213)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | リポ多糖 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / スルフォラファン |
研究開始時の研究の概要 |
肥満人口の増加に伴い非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) 患者が増加している。NAFLDの病態形成には腸内細菌由来のリポ多糖 (LPS) が重要と考えられているが、ヒトNAFLD患者における血中LPS濃度についてはまだ報告が少ない。動物実験ではブロコッリー新芽(スプラウト)から抽出した化合物であるスルフォラファンがLPSの低下を介してNAFLDを改善するが、ヒトでの検証は未だ十分ではない。本研究は 1)NAFLD患者の血中LPS濃度が健常者に比べて上昇していること、 2)スルフォラファンがヒトNAFLD患者の血中LPS濃度、肝障害を改善することを明らかにすることを目的として行う。
|
研究実績の概要 |
健常者とNAFLD患者の血中LPS濃度の差異があるか、NAFLD患者において血中LPS濃度がNAFLDの重症度と相関するか評価することを目的とした症例対照研究を行った。2019年12月9日までに健常者31名及びNAFLD患者31名を登録し、血中リポ多糖(LPS)濃度を測定し比較検討した。また、ROC曲線を作成しカットオフ値を検討した。NAFLD患者では採血と同日にMRエラストグラフィーによる肝硬度、MRI-PDFFによる肝脂肪量の測定を行いLPS濃度との相関を検討した。肝硬度、肝脂肪量を元に肝線維化のステージをF0、F1-2、F3-4、肝脂肪化のグレードをG1、G2、G3に分類し健常者を含めて重症度別のLPS濃度について多重比較検討を行った。NAFLD患者の血漿LPS濃度は健常者と比較し有意に高値であり、ROC曲線による解析の結果、血漿LPS濃度はNAFLDの診断においてAUC=0.87と有用と考えられた。NAFLD患者において肝硬度と、肝脂肪量はLPSと相関しなかった。F0、F1-2では健常者と比較し有意に血漿中LPS濃度が上昇していた。G1、G3では健常者と比較し有意に血漿中LPS濃度が上昇していた。NAFLD患者では健常者と比較して血漿中LPS濃度が上昇しており、肝硬度と肝脂肪量と相関しないものの、線維化や脂肪化が軽度でも上昇していることから早期の症例の拾い上げに有用である可能性があると考えられた。LPS低下を指標として非アルコール性脂肪性肝疾患に対する有用性を検証するための臨床試験の前に、LPS測定が保存検体で可能か予備試験を行ったところ、保存検体においてLPS濃度の低下が認められたため保存検体では不適切であると考えられ、臨床試験においては採血当日にLPS測定を行う必要があることが明らかとなった。
|