研究課題/領域番号 |
19K11687
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
西尾 尚美 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80513457)
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研究分担者 |
磯部 健一 修文大学, 医療科学部, 教授 (20151441)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | GADD34 / 老化 / 肝臓 / 糖質代謝 / 脂質代謝 / インスリンシグナル伝達系 / インスリン抵抗性 / JNK / NASH / インスリンレセプターシグナル伝達系 / 炎症 / 栄養 / シグナル伝達系 / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
GADD34は老化、代謝、炎症に関連する3つのシグナル伝達系を同時に制御すると考えられる。そこで本研究では、GADD34 KOマウスを老化に伴って発症する炎症性疾患及びメタボリックシンドロームのモデルマウスとして、栄養の摂取、慢性炎症などの条件を与え、GADD34がこれらのシグナル伝達系を制御するメカニズムを検索することによって、メタボリックシンドロームの予防、治療、さらに、老化の予防に結びつけることを目標に研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、GADD34遺伝子欠損(KO)マウスで老化関連疾患の原因である脂肪肝が早期に発症するメカニズムを解明するために、肝臓における糖質代謝と脂質代謝の検討を行った。脂肪肝形成について検討したところ、脂質過剰摂取だけでは脂肪肝は発症しにくく、糖質の存在が必要であることが明らかとなった。KOマウスでは、これまでの報告でインスリンシグナル伝達系が亢進していることに加えて、脂質代謝だけでなく糖質代謝が肝臓で亢進しており、そのため脂肪肝が形成されやすい。さらに、KOマウスの肝臓では炎症系のシグナル伝達系が亢進しており、NASHやインスリン抵抗性を引き起こしやすい状況にあることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GADD34遺伝子欠損マウスを老化関連疾患発症のモデルとして解析することで、小胞体ストレスにおける役割以外は明確になっていなかったGADD34の役割は、老化におけるシグナル伝達系や代謝系にも関与していることが明らかとなった。このように老化関連疾患の発症メカニズムを解明することは、老化に伴って発症する疾患を抑制する可能性が示唆される。日本は超高齢化社会で、高齢者の健康は社会的にも個人的にも重要な課題である。老化は必然であるが健康に老化することが可能となれば、社会的な医療費抑制につながるだけでなく高齢者の尊厳ある生活の維持が可能となると考えている。
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