研究課題/領域番号 |
19K11689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宮城 栄重 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (40341987)
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研究分担者 |
辻口 博聖 金沢大学, 医学系, 特任助教 (00723090)
清水 由加里 公立小松大学, 保健医療学部, 講師 (90827403)
原 章規 金沢大学, 医学系, 准教授 (70507045)
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
神林 康弘 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (20345630)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高尿酸決勝 / 慢性腎臓病 / 1次予防 / 食生活 / 住民調査 / 高尿酸血症 / 腎機能 / 1次予防 / 介入調査 / 一次予防 / 尿酸 / 非肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の慢性腎臓病(CKD)患者は増加の一途をたどっている。近年、高尿酸血症が腎機能低下に関与することが報告された。一方で、十分な水分やアルカリ食品の摂取など比較的容易な食習慣改善は血中尿酸値を低下させるために効果的であることが知られている。 そこで本研究は、CKD発症に対する1次予防法を開発することを目的として、食生活改善による高尿酸血症改善や腎機能保護効果を検討するする。 具体的な実施内容は、①一般住民を対象に食生活介入を行い高尿酸、腎機能への効果を検討するとともにと、②医療保険者に蓄積する健康診断に関するビッグデータを活用して腎機能低下と尿酸値の経時的推移の関連を調べる。
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研究実績の概要 |
(1)高尿酸血症は腎機能の低下との関連が知られており、慢性腎不全や血液透析につながる可能性がある。本試験は、高尿酸者に対する食生活を主とした生活改善がどの程度、尿酸改善や腎機能低下抑制に有効であるかを長期的に検討することを目的としている。 (2)調査方法:石川県志賀町が実施している特定健康診査を受診した40歳から74歳の高尿酸血症(血清尿酸値6.8㎎/dl以上)に募集チラシを郵送し参加を募集する。参加者に30~40分程度の個別面談を行尿酸値改善のための目標を設置し、その後は定期的に電話連絡やSMSなどを使って目標の実施状況や体調等を追跡する。 (3)2020年度は新型コロナウイルス感染対策のため調査範囲を大幅に縮小し、2021年度からは調査範囲を広げ、羽咋郡志賀町全域として実施したものの、住民の感染対策への意識は高く十分な参加者を集めることは難しい状態であった。 (4)2023年度も調査継続のため、志賀町保健福祉課と協力し1月の調査実施へ向けた準備を行ったが能登地震のため、調査は実施できていない。また昨年度までの参加者の健診等データの回収もできていない。 (5)2019~2021年年度にほぼ同様の介入を行い、1年間以上追跡した参加者の合計は47名であた。尿酸値の変動は、介入前 7.4±0.5mg/dlから 介入1年後は7.0±0.5㎎/dlへ改善傾向があった(p=0.13)。また、腎機能の指標であるeGFRは60.2±14.2から介入1年後は62.2±12.1へやや改善が見られた。 (6)後ろ向き研究:志賀町・羽咋市からレセプトデータおよび健診結果の提供を受け解析を進めている。2022年度には、健康成人であっても腎機能が低下傾向にある者では脂質摂取量の増加が尿酸値の上昇を招くことを発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は一般住民を対象とした介入調査であり、介入方法として初回の対面での生活改善相談が重要である。 しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、面談の実施を志賀町モデル4地区のみに縮小した。 2022年度より、新型コロナウイルス感染拡大の影響が下火になったため、志賀町全域に調査範囲を拡大し住民からの応募状況も改善しつつあったが2023年度は能登地震のため調査を中断した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)志賀町では能登地震のため未だ約250名が避難所生活をしており、行政や保健福祉センターは対応に追われている。介入調査の実施には志賀町行政や保健福祉センターの協力が必要であり、調査再開には少し時間が必要であると考えられる。 (2)しかしながら、志賀町側は健康状態の聞き取りも兼ねた本調査実施を希望しており、2024年度も志賀町行政と協議し進めて行く予定である。 (3)具体的な方法としては、①2024年度はできる限り積極的に健康診査の会場や避難所等へ研究者が出向き、参加者の拡大に努める。②行政より2023年度までの健診結果を得 て、尿酸値6.8㎎/dl以上であった方々に、本研究のチラシを直接配布・説明するなどして研究参加を依頼する。③被験者への介入方法は昨年度までの方法を継続する。 (3)介入方法は、まず面談を行って生活習慣の聞き取りと高尿酸血症改善のための目標を設定する。その後2週、1カ月、3カ月、6 カ月、12カ月目に対面、電話、SNS、 郵送などで追跡する。目標の実施状況、必要であれば新たな目標の設定、生活習慣、体調変化、治療の有無などを確認する。介入開始後、1年毎に健康診断を受診してもらい尿酸値を測定する。 (4)これまでの追跡データより、尿酸値の改善傾向がみられており、新たな参加者の結果を加えて解析を実施し、論文執筆をすすめる。
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