研究課題/領域番号 |
19K11706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | ノートルダム清心女子大学 |
研究代表者 |
小林 謙一 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 教授 (80434009)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / 腎線維化 / キノリン酸 / トリプトファン / ポリフェノール / オレウロペイン / ヒドロキシチロソール / コーヒー酸 / クロロゲン酸 / キナ酸 / トリプトファン代謝 / QPRTノックアウトマウス / 機能性食品成分 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「トリプトファン代謝産物であるキノリン酸が慢性腎臓病のトリガー分子であることを明らかにすること」であり、この病態メカニズムに立脚して「慢性腎臓病を予防もしくは改善する食品因子を探索すること」にある。 本研究は、トリプトファン代謝異常マウスが非侵襲性腎線維化モデルとなるという自身の研究知見に基づくものである。本マウスおよび本マウスの腎臓の状態をミミックした培養細胞モデルも用い、新たな腎線維化の発症メカニズムを解明する。また、これらの実験系をまるごと用いて、「腎」を守る機能性食品成分の探索を実施する。
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研究成果の概要 |
本研究では、まずQPRTノックアウトマウスを用い、キノリン酸蓄積型腎線維化の分子メカニズムの解明を行った。その結果、14週齢ではNMDA受容体が影響を受け、60週齢にはRAGEにまで影響することを明らかにした。また、培養細胞モデルを用いた解析で、キノリン酸蓄積による腎間質線維化は、キノリン酸による「直接的」な影響ではなく、Tgfβを介した「間接的」な影響であることを示した。そして、培養細胞モデルを用い、腎を守る機能性食品成分の探索を行った結果、オレウロペインやヒドロキシチロソール、クロロゲン酸やコーヒー酸などに腎線維化予防・改善効果がある可能性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、トリプトファン代謝産物であるキノリン酸が、慢性腎臓病の共通の合併症である腎線維化のトリガーとなる分子となることを示すことができた。また、その分子メカニズムの一端を明らかにすることができたことは、慢性腎臓病の発症メカニズムの解明につながるものと考える。また、腎線維化を予防・改善する機能性食品成分を探索した結果。オリーブ葉やコーヒー、ブドウなどのポリフェノールが候補分枝となることを示すことができた。本研究の成果は、慢性腎臓病発症の新しいメカニズムを明らかにするだけでなく、発症を食品で予防・改善する可能性を示すことができ、医学的、栄養学的、食品機能学的に重要な知見が得ることができた。
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