研究課題/領域番号 |
19K11710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
周 赫英 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50750080)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 筋再生 / 骨格筋 / 筋衛星細胞 / サルコペニア / 筋萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
健康長寿を実現するためにはサルコペニアの予防・治療が極めて重要となる。生理活性物質に対する細胞の応答はヒトと動物では異なることがあるため、研究結果をヒトへ外挿する場合、ヒト細胞を用いた研究が望まれる。研究代表者所属のグループは、ヒト骨格筋から高品質な幹細胞を精度高く獲得する技術や分化誘導・維持培養系を開発している。重要なことに、得られたヒト筋細胞はin vitroで生理的な肥大・萎縮応答を示すことを確認している。本研究では、独自の技術により得られたヒト筋細胞を用いて、筋肥大を誘導または筋萎縮を抑制する因子のスクリーニングを実施し、サルコペニアの予防・治療法開発を目指す。
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研究成果の概要 |
ヒトの筋衛星細胞を用いてIn vitroで筋管細胞を作成し、280種類の天然由来生理活性物質を筋管細胞に直接作用させた結果、筋肥大効果のある化合物35種類を見出した。これらの化合物は今後サルコペニアに対する予防・治療に有効な物質であると期待される。また、細胞表面マーカーCD82発現は筋衛星細胞の筋管形成能力を反映することを確認し、CD82陽性細胞をさらに細分画することで高品質なヒト筋衛星細胞を濃縮することが可能になる。免疫不全筋ジストロフィーマウスに移植をしたところ、CD82高発現細胞を移植したマウス骨格筋にヒト由来の筋線維が、CD82低発現細胞を移植した骨格筋より多く再生された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨格筋は運動や身体活動を司る組織であり、その機能低下はQOLやADLの低下に直結する。健康長寿を実現するためにはサルコペニアの予防・治療が極めて重要となる。天然由来栄養素をヒト骨格筋細胞に直接作用させ、35種類の筋肥大効果がある化合物を特定し、これらの物質を用いて今後ヒトに適用される予防・治療法開発に研究を進める。 また、骨格筋の優れた再生能力を利用し、より高品質なヒト筋幹細胞を濃縮し、in vitroおよび 生体内での骨格筋再生に対する効果を検証した。ヒト筋幹細胞の品質を反映する細胞表面マーカーを指標に高品質な幹細胞を濃縮することで、高効率な細胞移植治療の実現につながると期待できる。
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