研究課題/領域番号 |
19K11719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
片岡 佳子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (40189303)
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研究分担者 |
櫻井 明子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70707900)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 腸内細菌叢 / 非アルコール性脂肪肝炎 / 食餌誘導性マウスモデル / 抗菌薬暴露 / 幼若期 / 抗菌薬 / 腸内環境 / 腸内菌 / マウスモデル / 発症リスク |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎の食餌誘導性モデルマウスを用いて、食物繊維や Bifidobacterium 属菌の投与等の介入や幼若時の抗菌薬投与による腸内環境の撹乱を行い、腸内環境への影響を解析するとともに、脂肪肝炎の発症への影響を調べ、発症リスクの上昇・低減と腸内環境との関連を明らかにする。比較的短期間にヒトの病態に類似の病態を示す高脂肪高コレステロール食投与モデルおよびその他のモデルを組み合わせて用い、介入の前後での腸内菌叢、腸内菌由来代謝産物の組成、腸管のバリア機能等と脂肪肝炎関連パラメータ(肝臓内脂質、血清肝傷害マーカー、病理組織学的所見)を用いた統計学的解析を行う。
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研究成果の概要 |
食餌誘導性非アルコール性脂肪肝炎(NASH)マウスモデルを用いて、幼若期(出生直後から満3週齢)の抗菌薬暴露の影響を検討した。抗菌薬無しで8週齢から高脂肪食を与えた陽性対照群に比べて、3種類の抗菌薬(バンコマイシン、ポリミキシン、アンピシリン)の投与群でNASHへの有意な影響はなかった。しかしながら、アンピシリン暴露群の一部マウスでは、体重著減と肝障害の進行がみられ、4 および 8週令時の菌叢構成と高脂肪食開始後の菌叢の変化パターンが同群の他個体とは異なっていた。幼若期の菌叢形成過程への抗菌薬暴露による介入が、高脂肪食による腸内環境の変動に影響して、重症化につながる場合があると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトやマウスモデルの非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の進展には個体差があり、そこに腸内環境の相違がかかわっている可能性が報告されているが、詳細は未解明である。今回の研究成果は、幼若期マウスの抗菌薬暴露が菌叢形成過程を撹乱し、成長後でも高脂肪食の影響を受けやすいタイプの腸内環境を作りだす可能性があることを示している。今後、マウス数を増やし、高脂肪食の影響を受けやすい個体の菌叢および腸内環境の経時的な変化を比較解析することにより、NASHの進展を予防するために有用な細菌やその代謝産物に関する知見を期待できる。抗菌薬は感染症治療に必須であるが、その適正使用の重要性も示している。
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