研究課題/領域番号 |
19K11732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
門田 佳人 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (60461365)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | メタロチオネイン / メタボローム / 老化 / カルニチン / トリメチルリジン / 寿命 / 血漿 / 筋肉 / C2C12 / 間葉系組織 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢期のオスのメタロチオネイン(MT)遺伝子欠損マウスは、背骨の湾曲や運動機能の低下などの高度な老化所見を示す。そこで本研究では、MT遺伝子欠損で起こる間葉系組織(骨・軟骨・筋肉)の老化機構の解明と独自の老化予防および治療戦略の創造を目的として、ヒトへの応用の前段階としてMTKOマウスおよび培養細胞を基盤とした生物学的手法を用いて以下の点を明らかにする。 ① MTKOマウスの骨・軟骨・筋老化を組織化学的に解析し、老化の進行や部位を特定する。 ② 血中総代謝物(メタボローム)を解析し、老化要因や新規(抗)老化物質を探索する。 ③ 間葉系細胞の分化能に及ぼすMTの役割をインビトロ実験で明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、メタロチオネイン遺伝子欠損マウス(MTKOマウス)の寿命短縮および老化機構を明らかにするために壮齢期および老齢期のMTKOと野生型(WT)の雄性マウスの血漿メタボロームを比較解析した。その結果、WTマウスとMTKOマウスの血漿間で濃度が異なる物質としてカルニチンや合成前駆体トリメチルリジン(TML)、アシルカルニチン類などのカルニチン関連物質が多く検出された。また腎臓および肝臓中のカルニチン合成に関与する酵素の遺伝子Tmlheの発現量が野生型マウスと比較してMTKOマウスにおいて顕著に低く、MTKOマウスの寿命短縮にカルニチン代謝異常が関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MTKOマウスの寿命短縮の一要因として、カルニチンの代謝異常が考えられた。カルニチンは、食事あるいは生体内で合成され、ミトコンドリアにおける長鎖脂肪酸代謝に必須であり、ミトコンドリアの保護効果も有する。近年カルニチンは、不妊治療、がんや心不全に対する臨床研究にも用いられ、注目されている。カルニチンの寿命延伸効果は容易に想像できるが、哺乳動物でそれを証明した研究は未だにない。またカルニチン合成に関与する遺伝子Tmlheの発現低下はほとんど報告例がなく、カルニチン合成経路の制御系が解明されれば、ヒトの(健康)寿命延伸に貢献できると考えられる。その基礎となる本研究における発見は、社会的意義が大きい。
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