研究課題/領域番号 |
19K11737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩崎 仁 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20626874)
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研究分担者 |
中川 嘉 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (80361351)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 生活習慣病 / 脂質代謝 / CREBH / 非アルコール性脂肪肝 / 肝がん / 細胞間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
転写因子CREBHの欠損マウスでは食事誘導性脂肪肝の進行が異常なまでに早い。特に、脂肪肝炎の発症が食事誘導性の非アルコール性脂肪肝発症モデルで早期に発症する。CREBHは肝臓内では肝実質細胞にのみ発現する。それゆえ、肝実質細胞から肝非実質細胞(特にマクロファージ)へと炎症を惹起する分泌因子が分泌、作用することが想定される。現在までに液性因子、エクソソームに含まれるnon coding RNAがCREBH欠損(KO)マウスで上昇することを特定している。この肝臓の中で起こる細胞間連関の伝達機構を明らかにし、非アルコール性脂肪肝から肝がん発症の分子メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
転写因子CREBHの肝臓特異的過剰発現マウスを作成した。このマウスは成長ホルモン抵抗性による成長遅延を示し、CREBHが栄養異化と成長遅延を結ぶ因子であることを証明した。CREBH KOマウスにMCD食を負荷すると肝障害・肝炎を呈した。肝臓での網羅的遺伝子発現解析から、炎症を惹起させる分子をいくつか抽出した。これら因子は肝実質細胞と非実質細胞の間で炎症を増悪化させものであった。さらに、ChIP-seq解析を組み合わせAK2がCREBHの標的遺伝子であることを見出した。AK2の低下はミトコンドリア機能の低下が炎症を引き起こすことで、細胞死を誘導し、炎症反応を惹起させたと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CREBHが栄養飢餓の助長と成長阻害を繋ぐ分子であることをマウスレベルで実証したことは、CREBHの機能増強により人工的に栄養飢餓を誘導させられることも示した。この結果はCREBHが肥満の解消させる治療薬開発につなげる可能性を示した。CREBH欠損により肝障害・肝炎を異常なまでに増悪化する。肝臓は様々な細胞で構成されており、肝障害を発症する際には肝臓内の細胞間連関が増悪化に寄与する。この肝機能障害を誘導しうる分泌因子を複数特定し、細胞間連関によるメカニズムの一端を明らかにしたことで、肝炎治療薬開発につながる成果を得た。
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