研究課題/領域番号 |
19K11738
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松居 翔 京都大学, 農学研究科, 助教 (80739673)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Oxytocin / FGF21 / 糖 / 嗜好性 / アデノ随伴ウイルス / SIRT1 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満症治療に食事療法と運動療法は欠かせないが、患者のアドヒアランスが低いことが課題である。食餌療法を必要とする患者のアドヒアランスを下げる要因の一つが糖質である。糖質は、高嗜好性かつ行動強化力が高く、肥満症患者の多くの特徴であるエネルギーの過剰摂取や間食の習慣化などの食行動の乱れを引き起こす。そこで、糖質嗜好性メカニズムの解明をとおし、患者が遵守できる食事療法の開発につなげることを目指す。本研究では、未解明な課題として残る糖質嗜好性制御の根底にある脳内のメカニズムの解明を行う。
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研究成果の概要 |
マウスにFGF21を腹腔内注射すると、PVH Oxtニューロンの約13%にc-Fosが誘導された。従って、PVH Oxtニューロンは視床下部におけるFGF21の標的の一つであることが明らかになった。 次に、Cre誘導型SIRT1(野生型またはH355Y変異体)AAVベクターをOxt-ires Creマウスに注入し、PVH OxtニューロンにおけるSIRT1の発現レベルを操作した。PVH OxtニューロンでSIRT1-WTを過剰発現させると、糖質嗜好性が有意に抑制された。従って、SIRT1はマウスのPVH Oxtニューロンを介して糖質嗜好性を抑制することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖質は食行動の引き金として強力に作用し、必要以上のエネルギー摂取をもたらすことで、肥満発症の要因になる。肥満症に用いられる治療薬は、中枢・末梢神経系や心臓に対する重篤な副作用が多く認められる。本研究の成果から、オキシトシンニューロンのタイプや投射先の脳領域を特定することができれば、糖質嗜好性が原因となる肥満症に対して、より特異性が高く副作用の少ない抗肥満薬の開発につながることが期待される。
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