研究課題/領域番号 |
19K11763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷中 昭典 筑波大学, 医学医療系, 客員研究員 (80272201)
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研究分担者 |
鈴木 英雄 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00400672)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | スルフォラファン / 潰瘍性大腸炎 / ブロッコリースプラウト / カルプロテクチン / 腸内細菌叢 / sulforaphane / 臨床介入試験 / 腸内細菌 / 炎症性腸疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、慢性炎症性疾患(IBD)の病態に関与する腸管免疫の亢進を制御する抗体薬品が登場しIBD重症化の防止に寄与している。しかしながら、これらの薬品は安全性、経済性の面で課題があり、安全かつ低コストで長期使用可能な薬剤の開発が望まれる。本研究はブロッコリーに含まれる抗酸化食品成分、スルフォラファン(SFN)の抗炎症作用、及び悪玉腸内細菌抑制作用に着目し、SFNの長期投与がIBDの病態改善に及ぼす影響を動物実験モデルで検討するとともに、潰瘍性大腸炎(UC)患者にSFNを投与して病態改善効果を評価する臨床試験を実施し、SFNのIBD病態制御効果の有無について検討し、そのメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
1. 基礎実験:Sulforaphane glucosinolate (SGS)投与によりDextran Sodium Sulfate (DSS)により惹起されるマウス大腸炎が軽減され、その機序として、大腸粘膜に対するSGSの酸化ストレス応答能強化作用が関与することが示唆された。 2. 臨床試験:潰瘍性大腸炎患者に対して、二重盲検法によるSGS含有食品であるブロッコリースプラウトの介入試験を開始しSGS含有食品の摂取により潰瘍性大腸炎患者の便中カルプロテクチン含有量が減少し、腸内フローラが改善された。 以上の結果より、SGS含有食品の定期的摂取により潰瘍性大腸炎の病態が改善する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義:機能性野菜であるブロッコリースプラウトに含まれる天然化合物であるスルフォラファンが抗酸化作用を発揮して、マウス、ヒト潰瘍性大腸炎患者の大腸粘膜における慢性炎症を軽減させる効果を有することを初めて明らかにした点であり、本研究の社会的意義は、本研究において用いたスルフォラファン含有食品であるブロッコリースプラウトなどの機能性食品の定期的摂取が、現在、潰瘍性大腸炎患者において問題になっている各種薬剤の長期的副作用を回避する手段の一つとなりうることを臨床介入試験によって、科学的に証明した点にある。
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