研究課題/領域番号 |
19K11772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 医療創生大学 (2020-2022) 岩手医科大学 (2019) |
研究代表者 |
斉藤 麻希 医療創生大学, 薬学部, 准教授 (40365185)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | インドール類縁体 / 肺高血圧症 / 右心室線維化 / ファイトケミカル / モノクロタリン / 慢性炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
肺高血圧症(PH)は肺動脈圧が選択的に上昇する病態であり、無治療で経過すると右心不全を引き起こす。治療戦略の第一は、血管拡張薬により肺動脈圧を下げることである。申請者は、右心不全の原因となる右心室線維化を抑制すれば、必ずしも肺動脈圧が下がらなくても生命予後が改善され得ることを、PHモデル動物を用いた研究により見出した。 線維化は慢性炎症と深く関わることから、抗炎症作用を有する化合物がPH治療補助薬になりうると考える。抗炎症作用をもつインドール類縁体に着眼し、これらがPH病態下での右室線維化を抑制しうるか、またPHモデル動物の生命予後を改善できるか否か、培養細胞およびモデル動物を用いて検証する。
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研究成果の概要 |
肺高血圧症は何らかの原因で肺動脈圧が慢性的に上昇し、右心室や肺動脈に代償性のリモデリングを引き起こす進行性の病態である。近年では優れた肺動脈拡張薬が開発され一定の効果を上げている一方、全身性慢性炎症を伴う肺高血圧症患者の生命予後は改善の余地を大きく残している。 本研究では、インドール類縁体のいくつかに強い抗炎症作用を有することに着眼し、肺高血圧症病態下で生じる右心室肥大や線維化に対して抑制作用を示すものを見出すことを目的とした。培養細胞を用いた検討により、キャベツ等のアブラナ科野菜に含まれるインドール類縁体は、アンジオテンシンに誘発される心線維芽細胞の活性化を抑制する可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、治療抵抗性があるとされる膠原病等全身性慢性炎症を伴う肺高血圧症の生命予後改善を究極目標としている。その背景には、申請者が、肺動脈圧を下降させることができなくても右心室や肺組織における炎症を抑制することで生存率を改善しうることを動物実験レベルで見出せたことがある。本研究において、アブラナ科野菜ファイトケミカルがヒト線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化を抑制しうることを見出したことは、慢性炎症を伴う肺高血圧症の予後を改善しうる新たな作用機序を持つ肺高血圧症治療補助薬の候補化合物を提示するに留まらず、アブラナ科野菜の付加価値向上にも結びつきうる、意義深いものであると確信する。
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