研究課題/領域番号 |
19K11773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
木村 真規 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 講師 (40383666)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 長期的効果 / 運動習慣 / 食習慣 / 高脂肪食 / 肝臓 / 褐色脂肪 / 豊かな環境 / レガシー効果 / 運動 / 食事 / 肥満 / 老化 / 環境エンリッチメント / 白色脂肪 / 脂肪 / 脂質代謝系遺伝子 / 熱産生系遺伝子 / 若齢期 / 食事習慣 / 長期効果 |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究において,若齢期の肥満・運動経験が骨格筋と白色脂肪組織中の遺伝子発現を長期に渡って変化させ,体内の糖・脂質代謝に影響を及ぼす可能性が見出されたが,特に脂質代謝系と熱産生系遺伝子に大きな変化が認められたことから,体内の脂質代謝・熱産生に関わる主要な臓器である肝臓と褐色脂肪組織中の遺伝子発現においても,長期的効果が生じている可能性が示唆された. そこで本研究では,肥満・運動経験により長期に亘って糖・脂質代謝に影響する肝臓・褐色脂肪組織の遺伝子発現における長期的効果と老齢期の健康・寿命に及ぼす影響について明らかにすることを試みる.
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研究成果の概要 |
本研究では,若齢期の食・運動習慣が成熟期の肝臓・褐色脂肪組織の脂質代謝・熱産生関連遺伝子の発現変化に及ぼす長期的効果についてマウスを用いた基礎的検討を行った. 網羅的遺伝子発現解析の結果,若齢期の肥満・運動経験によって肝臓および褐色脂肪で長期的に変化する遺伝子は約1,700~3,300個ほど確認され,脂質代謝・熱産生に関係する遺伝子の他,老化関連遺伝子などが含まれていた.そこで白色脂肪組織中に発現する老化関連遺伝子について調べたところ,統計的に有意な長期的効果が確認された. また老齢マウスを遊具などが設置された社会的に豊かな環境で飼育したが,寿命などに対する影響を確認することはできなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はマウスを用いた基礎的研究ではあるが,得られた結果を検証することによって,ヒトへの応用展開に対してある程度の知見を提供することが可能となると考えている.本研究の結果を広義に解釈することによって,子供の頃(若齢期)の食習慣および運動習慣が成人後(成熟期)の肝臓や褐色脂肪組織の機能に対して長期的に影響を及ぼす可能性が示され,白色脂肪組織では老化にも関与する可能性が示唆された. また行動範囲が広く,活動内容に多様性があり,他者と接する機会の多い社会的に豊かな環境での生活は寿命を延長させる可能性が示唆されているが,より効果的な環境を模索・整備する為には今後も更なる検討が必要と思われた.
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