研究課題/領域番号 |
19K11786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
東泉 裕子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部, 室長 (20360092)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 骨代謝 / 短鎖脂肪酸 / 酢酸 / プロピオン酸 / 酪酸 / 骨粗鬆症 / 腸内細菌叢 / 難消化性糖質 / 骨芽細胞 / 腸内細菌 / ALP活性 / 破骨細胞 / TRAP活性 / 難消化性でんぷん |
研究開始時の研究の概要 |
骨と炎症・免疫系は多くの制御たんぱく質を共有し密接に関係していることから、骨粗鬆症の予防においても炎症・免疫系を介した骨代謝調節は重要である。難消化性でんぷんは、腸内細菌により代謝され、短鎖脂肪酸を産生する。近年、短鎖脂肪酸による局所および全身炎症・免疫系における調節作用が報告されている。そこで、本研究では骨粗鬆症予防における、腸内細菌により産生される短鎖脂肪酸の骨代謝への作用を明らかにするとともに、骨代謝に関連する炎症・免疫系調節における短鎖脂肪酸の新規作用メカニズムを検討することを目的とする。具体的には、骨芽細胞および破骨細胞、並びに閉経後骨粗鬆症モデル動物を用いてそれらを検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では骨粗鬆症予防における腸内細菌により産生される短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)の骨代謝への作用を明らかにするとともに、その作用メカニズムを検討した。破骨細胞前駆細胞において、短鎖脂肪酸は破骨細胞活性を抑制した。また、骨芽細胞様細胞において、酢酸は骨芽細胞への分化を促進する傾向を示した。閉経後骨粗鬆症モデルマウスにおける難消化性糖質の飼料添加により、盲腸内のプロピオン酸の相対濃度の増加および骨密度低下の抑制が認められた。以上の結果から、短鎖脂肪酸は骨密度の低下を抑制するとともに、骨代謝バランスにおいて有効に作用する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では高齢化が急速に進んでいることから、「健康寿命の延伸」への取り組みが求められている。日本において骨折は要介護の原因の第4位であることからも、骨粗鬆症への対応は最重要課題のひとつといえる。本研究では、短鎖脂肪酸が骨密度の低下を抑制するとともに、骨代謝バランスにおいて有用である可能性を示唆した。本研究結果は、骨粗鬆症予防において食品摂取による新たな役割を提示しており、高齢化社会の日本において社会的に意義のある研究と考えられる。また、腸内細菌を介した短鎖脂肪酸の骨代謝における作用メカニズムを示しており、学術的な独自性も認められる。
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