研究課題/領域番号 |
19K11789
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
藤田 恵理 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (50466877)
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研究分担者 |
清水 美穂 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員准教授 (00500399)
平工 志穂 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (30302821)
田中 幸夫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (60179794)
跡見 順子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員教授 (90125972)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 卵殻膜 / 細胞外マトリクス / 肺線維症 / 線維症 / 呼吸機能 / 肺線維化 / バイオイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化に伴い呼吸器疾患は増加しており、特に肺線維症については根本的な治療法がない。肺線維症の緩和を目指し、入手が容易で伝統的に創傷治癒効果があるとされてきたニワトリ卵殻膜に注目した。卵殻膜は、組織弾力性に寄与するⅢ型コラーゲンなどの細胞外マトリクスを誘導することや、卵殻膜の長期摂取が呼吸機能を改善することを明らかにしてきた。卵殻膜が細胞外マトリクスの恒常性を改善する機能を利用した、呼吸機能改善を目指す。さらに二光子励起顕微鏡を利用したバイオイメージングにより、生体への卵殻膜摂取効果をダイナミックに分析し、運動療法や呼吸法と組み合わせることで高齢社会における新規の健康戦略を開発する。
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研究成果の概要 |
ヒトを対象とした試験で、卵殻膜を摂取した群では、呼吸機能が対照群に比べて有意に増加した。また放射性標識した卵殻膜をマウスに経口投与し、卵殻膜の薬物動態を明らかにした。マウス肺組織や肺線維芽細胞の画像解析や遺伝子発現解析により、卵殻膜は、線維化を防ぎコラーゲンの線維形成を健全に維持することが知られているデコリンの発現レベルや分泌を顕著に増加させることを明らかにした。肺線維症モデルマウスに卵殻膜を経口投与すると、肺胞のデコリンレベルが有意に増加し、肺線維化マーカーであるTAZ核移行を低減した。卵殻膜は肺組織の細胞外環境を改善することにより、肺線維化を軽減し呼吸機能を改善すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化に伴い呼吸器疾患は増加しており、特に肺線維症については根本的な治療法がない。肺線維症の緩和を目指し、入手が容易で伝統的に創傷治癒効果があるとされてきたニワトリ卵殻膜に注目した。我々は天然素材・卵殻膜が、弾力性に富む細胞外マトリクス成分であるデコリンやIII型コラーゲンの発現を誘導するという作用機序を利用し、呼吸機能改善や肺線維症にも有効なアプローチを開発した。卵殻膜の経口摂取は、肺組織の細胞外環境を改善することにより肺の健康に寄与する栄養/機能性食品として期待できる。
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