研究課題
基盤研究(C)
加齢に伴う筋量や筋力の低下である「サルコペニア」は、さまざまな要因により横紋筋の収縮単位であるサルコメアの恒常性維持が困難となることで発症すると考えられている。高齢化が進む日本にとって深刻な問題であるが、その分子機序はよく分かっていない。本研究ではサルコメアの恒常性維持機構を解き明かすことで、効果的なサルコメアの維持や筋量増加といったサルコペニア新規治療法の創出につなげたい。
横紋筋の収縮装置サルコメアがどのようにして収縮するのか?はこれまでの長年の研究によって解き明かされてきたのに対して、本装置がどうやって恒常性を保っているか、に関しては未だ不明な点が多い。本研究では、サルコメア内のアクチン線維形成に関わるマシナリーに注目し、本マシナリーが骨格筋や他の臓器のアクトミオシン収縮装置の維持にどのように関わるかを検討した結果、本マシナリー構成因子であるフォルミン蛋白質が臓器や組織特異的な機能を通じてアクトミオシン相互作用を制御している可能性を明らかにした。
高齢化が進行する日本にとって、加齢に伴う筋量や筋力の低下、すなわち「サルコペニア」は深刻な社会問題である。サルコペニアは、横紋筋の収縮単位であるサルコメアの恒常性が内的・外的な要因によって維持できなくなることで発症すると考えられているが、その恒常性維持機構は未だよく分かっていない。本研究成果は、横紋筋サルコメアの形成・維持の制御機構の理解を通じて、サルコペニア進展の分子機構の解明に貢献するだけでなく、制御機構を標的とした新規治療法の創出につながると期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (11件)
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