研究課題/領域番号 |
19K11804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 仁愛大学 |
研究代表者 |
浦本 裕美 仁愛大学, 人間生活学部, 教授 (50390696)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | CFTR / 便秘 / マウス / CFTRinh172 / 汗中クロライド濃度 / 乳酸菌摂取 / CFTR機能 / ゲニステイン摂取量 / 食物繊維摂取量 / 食事 |
研究開始時の研究の概要 |
2017年に発刊された'慢性便秘症診療ガイドライン'において、治療としての食事の有効性は現時点ではそれほど評価されておらず、エビデンスレベルの向上に資する研究や解析が望まれている。便秘のなり易さは遺伝的背景も影響していると考え、そのターゲットの一つとして腸液・粘液分泌に関わるcystic fibrosis transmembrane conductance regulator Cl-チャネルに着目し、その遺伝子多型及び機能と便秘との関連性についての研究を進めている。本研究では、便秘改善法を選択する上でCFTR機能が考慮すべき項目なのかを明らかにし、エビデンスレベルの高い有効な食事を探求する。
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研究実績の概要 |
ヒトでの研究が困難になったため、上記テーマの解明に向けて動物実験によりCFTR機能低下便秘モデルマウス作成の検討を行った。即ち、腸管膜に発現しているCFTRの機能を阻害することで便秘を誘導できるのかを、CFTR特異的阻害剤であるCFTRinh172をマウスに経口投与し確認した。 阻害剤投与群の1日当たりの平均摂薬量は24.68μgであった。阻害剤投与群の体重変化と解剖時の肝臓重量をコントロール群と較べると違いはなく、本実験での投与量および投与期間では、CFTR阻害剤の摂取は、マウスの成長や健康に影響を与えなかったと考えられた。 乾燥糞量は阻害剤投与の影響はなく、ペレット数は阻害剤投与により数は減ったが、有意差は認められなかった。糞水分量は、阻害剤投与1週間経過後の約1週間の観察で漸減傾向を示し、また、コントロール食に切替えるとすみやかに水分量は増え、回復期間5日目でコントロールマウスの結果とほぼ同じレベルであることから、5日目で回復は平衡状態に達していたと考えられた。阻害剤投与13日目と15日目は回復期5日目に較べ糞水分率は少なく、13日目で有意に少なかった(p<0.05)。 阻害剤投与の腸内糞通過時間への影響を阻害剤投与8日目で観察した結果、コントロール群では色素投与から完全に糞の着色が無くなるまでに約24時間かかったのに対し、阻害剤投与群では26~30時間かかっており、腸内糞通過時間の遅延が確認できた。コントロール食に切替えたタイミングでの結果は、コントロール群と阻害剤投与群で差はなく、阻害剤投与を止めることですみやかにコントロール群と同等にまで回復することがわかった。 以上から、マウスにおいて、CFTR阻害剤を毎日40μg(正味摂取量約20μg/日)を餌に加え約2週間投与することで便秘状態を誘導できると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトでの研究から動物での研究に切換え1年目で、準備に時間を要したことと、実験実施に必要な器具数(糞回収に必要な飼育ケージ等)の制約があり、十分に内容を深めることができなかった。しかし、期待どおりの結果が得られており、テーマに迫る内容にするには更なる実験を重ねることが必要と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の実験により、CFTR特異的阻害剤(CFTRinh172)を餌に加え投与することで便秘を誘導できることがわかった。しかし、器具数の制約があり、1群の匹数を十分な数にすることができなかった。2023年度は論文にできるように1群の匹数を増やし、確かなデータにするとともに、これまでのヒトでの研究で得られた結果、すなわち、食物繊維の摂取など一般に便秘に良いと知られていることがCFTR機能低下による便秘でその影響がより顕著であることを、2022年度で得られたCFTR機能低下便秘マウスを用いて証明していく予定である。
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