研究課題/領域番号 |
19K11807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
吉村 征浩 神戸学院大学, 栄養学部, 准教授 (60455566)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 酢酸 / 炎症性大腸炎 / 短鎖トリグリセリド / 短鎖中性脂肪 / 炎症性腸疾患 / 腸内細菌叢 / 食品添加物の機能性 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患(IBD)は、慢性・再発性の腸管炎症を特徴とする難治性疾患であり、我が国の患者数は年々増加し、2014年には21万人を超え、IBDの予防法確立は喫緊の課題である。IBD患者では健常者に比べて、腸内細菌叢の多様性が低下し、腸内細菌叢の乱れが起こっていることが報告されており、IBD病態の改善に酢酸摂取が有効なことが示されている。しかしながら、酢酸は、刺激性、経皮急性毒性、皮膚腐食性があることから大量に摂取することは非常に困難で危険を伴う。本研究では、安全性が担保されており、腸内で酢酸を生成する食品添加物のIBDに対する有効性の評価を行うことを目的とした。
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研究成果の概要 |
炎症性腸疾患患者数は増加の一途を辿っており、患者のQOL改善や医療費増大抑制の観点から、安全性の高い予防法の確立は喫緊の課題である。本研究では、小腸内で酢酸を遊離するトリアセチン(Tri)に注目し、ラットにおけるTri摂取のDSS誘導性大腸炎に対する予防効果の検証及びメカニズム解明を目的とした。本研究により摂取したTriは、上部小腸管腔で完全分解され、酢酸として門脈を経由し体内へ吸収されていることが確認され、Triの事前摂取によりDSS誘導性大腸炎の症状が緩和することが判明した。さらに、その緩和効果のメカニズムは、腸管バリア機能の維持によりDSSによる炎症を予防することであると推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症性大腸炎の治療に用いられている5-アミノサリチル酸やステロイドには、はアレルギー様症状や易感染性、骨粗鬆症、高血糖等の数多くの副作用を起こす可能性があり、大腸炎を予防、緩和するより安全な食事療法が望まれる。酢酸は、抗炎症作用を発揮し、大腸炎を抑制することが知られているが、刺激性や毒性が強いことから多くの摂取が難しく、より安全性の高い物質が求められる。そのため、本研究において確認された食品添加物として安全性が担保されているTriによる炎症性大腸炎モデル動物の大腸炎予防効果は、より安全性の高い予防法確立の一助となることが期待される。
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