研究課題/領域番号 |
19K11810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
奥田 徹哉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (20443179)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ケトン食 / スフィンゴ糖脂質 / ガングリオシド / 抗糖鎖抗体 / 抗体精製 / てんかん / GM2A / ST3GAL2 / 脂肪肝 / VLDLR / レプチン / 糖鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
薬が効かない難治性てんかんを改善できる「ケトン食」の持続摂取モデルマウスに見られる、脳内でのスフィンゴ糖脂質の合成促進作用について研究する。ヒトや実験動物にて、スフィンゴ糖脂質の合成遺伝子が欠損すると、てんかん発症を主とする中枢神経の異常を呈することから、この作用はケトン食の抗てんかん作用の一つと予想される。本期間では、ケトン食摂取モデルマウスの各脳組織での関連遺伝子群の転写量やプロダクト産生量の解析により、作用の鍵となるスフィンゴ糖脂質の分子種、代謝系遺伝子、中枢神経領域/細胞種を特定すること目標とし、この合成促進のメカニズムにもアプローチする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ケトン食の摂取が脳内のスフィンゴ糖脂質の生合成へと及ぼす影響を明らかにするため、ケトン食を持続的に摂取させたマウスの脳組織における関連遺伝子の発現量やプロダクトであるスフィンゴ糖脂質の含有量を解析した。その結果、ケトン食の摂取により関連遺伝子の発現量の変化を作用点として、肝臓、脳、血清に含まれる酸性スフィンゴ糖脂質(ガングリオシド)の特定の分子種が増加することを明らかにした。特に血清中にて有意に増加するガングリオシドの分子種については、イムノアッセイによる実用的な評価方法を構築するために、モノクローナル抗体の作製など基盤技術の整備を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低炭水化物/高脂肪の栄養食であるケトン食には痙攣発作を抑える作用があり、薬が効かない難治性てんかんの症状を改善できる。肥満治療への応用のために改変されたケトン食(アトキンス食/糖質制限食)も社会的に注目されている。しかし、その作用メカニズムについては不明な点が多く、適切に利用するための科学研究が必要とされている。本研究では、てんかんや肥満の治療への適切なケトン食の利用を目的として、ケトン食の脳や肝臓への作用を評価するための指標となる生体分子をマウスを用いた実験系により探索し、ガングリオシドを候補分子として見出した。本成果は、患者に負担の少ないてんかん治療食の開発などへの応用が期待できる。
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