研究課題/領域番号 |
19K11819
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 明治大学 (2022-2023) 東京大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
小林 浩二 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (00547391)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アルゴリズム / スケジューリング / オンライン問題 |
研究開始時の研究の概要 |
スケジューリング問題とは、コンビニの利用客(タスク)をどのレジ(マシン)にどの様な順序で並ばせる(スケジュールする)と効率的に対処可能か、を理論的問題として定式化した著名な問題である。また、時間の経過と共にタスクの情報が逐次的に与えられるオンライン・スケジューリング問題(OSCP)という設定がある。OSCPの研究は盛んに行われているが、一部のタスクを犠牲にする様な、現実の事象に対して実用的解決策を提供するとは言い難い問題設定とその解法が多く検討されている。本研究ではその様な問題点を解消した個々のタスクを尊重するOSCPの新しい問題設定を提案し、その問題設定に対する効果的な解法を設計する。
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研究実績の概要 |
スケジューリング問題(SCP)とは、有限個のマシンとそのマシンにおいて処理すべき多数のタスクとが与えられた際に、そのタスクをどの様に各マシンに割り当てて処理すべきか、という理論計算機科学分野の重要な問題である。例えば、計算機のCPUにおいて処理すべき命令や、コンビニのレジとそこに並ぶ買い物客による待ち行列などは、それぞれマシンとタスクとして見なすことが可能であり、SCPとして定式化し得る。我々の身の周りにおいて生じる事象(問題点)に対して理論的な解決策を与えるという動機から、SCPはオンライン問題と呼ばれる、タスクに関する情報が時間の経過と共に逐次的に与えられる問題設定(OSCP)において盛んに研究されている。ところが、従来のOSCPでは、1つのタスクがマシンを占有することを許す問題設定が多く、実用的な解決策を提供しているとは言い難い状況が発生している。本研究ではその様な問題点を解消する為の個々のタスクを尊重する様な、(a)OSCPの新しい問題設定を提案し、(b)幾つかの方式によって、その問題設定に対する効率的なアルゴリズムを設計することを目的としている。 (a)については、令和元年度に問題設定の設計を終えている。 (b)については、決定性方式について既に成果を発表している為、それ以外の方式についても研究に取り組んでいる。また、(a)と(b)に関して、令和元年度に完成した問題設定を修正した新たな問題設定の設計とそれに対する効率的なアルゴリズムの開発も進めている((c)とする)。加えて、これらの研究活動に付随して幾つかの研究成果が得られており、それらについては査読付き国際会議、並びに査読付き学術雑誌に投稿し査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度においては(a)において完成させたOSCPの問題設定に対する幾つかの方式におけるアルゴリズムの設計・解析と、それに加えて、(c)については令和4年度に設計した新たな問題設定に対するアルゴリズムの設計と解析を行う計画であった。 「研究実績の概要」において述べた通り、幾つかの方式(制約条件・付加情報)についてアルゴリズムの設計・解析を実施し、まだ改善の余地はあるものの、対外発表に向けて準備を進めている。また、(c)の新しい問題設定に対するアルゴリズムの設計と解析についてはある程度の成果は得られたが、対外的な発表が行える段階には至っていない。一方、これらの研究活動から派生した研究については幾つかの成果が得られている。その為、研究はやや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は以下の様に研究を進めていく。 (a)については、(b)のアルゴリズムの設計・解析に応じて問題設定の見直し・修正を適宜行う。(b)については、アルゴリズムの幾つかの設計方式(主に制約条件、付加情報)ついて、引き続き設計・解析を行う。(c)についてもアルゴリズムの設計と解析を行う。 なお、現在の新型コロナウイルスに関連した社会的状況は改善が見られたものの、今後も関連研究の調査や研究成果の発表に関して影響が生じる可能性がある。前者についてはインターネットを介して調査を行うことで、ある程度対処可能である。後者については、研究成果の発表方法(国際会議の発表、学術論文誌への投稿、研究集会での発表)・時期などについて慎重に検討して対処する。
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