研究課題/領域番号 |
19K11829
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
蓮沼 徹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (30313406)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 連結度 / 辺連結度 / 木 / 連結度保存木 / グラフ / k-樹連結グラフ / ページナンバー / 完全独立全域木 / 本型埋込 / 増大問題 / 二股擬単峰キャタピラ / 内周 / 重複内周 / アルゴリズム / Mader予想 / 耐故障性 / キャタピラ / ネットワーク / 樹連結性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,頂点を取り除いた後に元のグラフの全域木の構造がほぼ保存されることを保障できる,樹連結性の概念を新たに導入し,既存の点連結性との関係を調べる.また,部分木を取り除いても元の連結性が保存されるための次数条件(Mader予想)及び樹連結性が保存されるような次数条件について考察する.さらに樹連結度増大問題及び本型埋込の望ましい性質を保持しつつ樹連結度を増大させる問題についても考察する.
|
研究実績の概要 |
Mader予想とは,位数mの任意の木Tに対して,最小次数が[3k/2]+m-1以上の全てのk-連結グラフGは,G-V(T')がk-連結であるTに同型な部分木T'を含む,という命題である.この予想について,Tがパスのとき,k = 1のときは成立し,k = 2のときは部分的な肯定的結果が知られていたが,最近 k = 2,3の場合も成り立つことが示されている.本研究では,Mader予想の辺版として,次の命題を予想し,k <= 2のときには成り立つことを証明した. 予想1:位数mの任意の木Tに対して,最小次数がk+m-1以上の全てのk-連結グラフ(k-辺連結グラフ)Gは,G-E(T')がk-連結(k-辺連結)であるTに同型な部分木T'を含む. 実際にはより強い以下の命題を証明した. 命題1:k <= 2として,位数mの任意の木Tに対して,最小次数がmax{Δ(T)+k,m-1}以上の全てのk-連結グラフ(k-辺連結グラフ)Gは,G-E(T')がk-連結(k-辺連結)であるTに同型な部分木T'を含む,ここでΔ(T)はTの最大次数を表す. また,予想1に関して,最小次数の下界を2(k+m-p),ただしp = [(k(k+1)+(m-1)(m-4))/2n+1/2]+2,と緩和した場合には成り立つことも示した.さらに,Erdos-Sos予想とLoebl-Komlos-Sos予想の両方が正しければ,k-連結グラフに対する予想1が成り立つことも証明した.特に,この結果とこれまでに知られているErdos-Sos予想とLoebl-Komlos-Sos予想の肯定的結果から,k-連結グラフに対する予想1はTをパスに限定した場合及びGを内周が7以上と限定した場合に成立することが分かった.また,Loebl-Komlos-Sos予想が正しい場合は密なグラフでは予想1が成り立つことも証明した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Mader予想の辺版の予想を提起し,その予想がk <= 2に成り立つことを証明し,さらに様々な肯定的結果を示すことができた.
|
今後の研究の推進方策 |
連結度を保存する木の存在は応用上も重要であると考えられ,予想1の解決に向けて考察を進めるとともに,連結度を保存する木以外の構造についても考察する.また,ネットワークの耐故障性に応用をもつ完全独立全域木に関する考察も引き続き進める.
|